「父は生前、お経をあげなくていいと言っていたけれど、葬儀はどう進めればいいのだろう」「宗教的な儀式をしない葬儀って、どんな流れになるの?」――突然のご不幸に際して、無宗教での葬儀を希望されるご遺族から、こうしたご相談をいただくことが増えています。
創業以来地域に根ざす中本葬祭は、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で年間300件以上の葬儀を施行してまいりました。近年は当地でも、宗教的な儀式にとらわれずに故人らしくお見送りしたいとお考えのご家族が少しずつ増えています。この記事では、無宗教葬儀(自由葬とも呼ばれます)の基本的な流れと式次第、当地域で気をつけたいポイントをわかりやすくご説明いたします。
無宗教葬儀とは?基本的な考え方
無宗教葬儀(無宗教葬)とは、仏教や神道、キリスト教といった特定の宗教・宗派の儀礼に従わない葬儀スタイルで、「自由葬」とも呼ばれます。僧侶や神主などの宗教者を招かないため、お布施や祭祀料、お車代、お膳料といった謝礼も不要です。
仏式の葬儀での読経や焼香、神式の祭詞奏上や玉串奉奠に対して、無宗教葬儀では献花や黙祷が一般的に行われます。ただし仏式のような決まった式次第がないため、内容や進行はすべてご遺族とご親族の意向によって決めていくことになります。
当地域では古くから菩提寺(ぼだいじ:先祖代々お世話になっているお寺)をお持ちのご家庭が多く、仏式での葬儀が一般的です。そのため無宗教葬儀を希望される場合は、事前に菩提寺や親族とよく話し合い、ご理解を得ておくことがとても大切です。新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町は地域のつながりが深い土地柄ですので、ご親族やご近所への丁寧なご説明が、のちのトラブルを防ぐことにつながります。
無宗教での葬儀は神仏混合や、あまり宗派にこだわらない日本独自に発展してきた文化のひとつでもあり、海外ではあまり見られません。無宗教であっても神仏の存在を否定しているわけではなく、宗教的な儀礼・儀式を入れてはいけないという決まりはありません。故人やご遺族の希望がある場合は、読経や焼香を組み込むことも可能です。
無宗教葬儀の式次第と流れ(一例)
無宗教葬儀には定型の式次第がないため、内容や進行はすべて親族や遺族の意向により決定されます。ここでは、一般的によく行われている無宗教葬儀の流れをご紹介いたします。所要時間は開式から出棺まで約1時間程度が目安です。
参列者入場・受付
受付を済ませた参列者が会場へ入場します。BGMとして故人がお好きだった音楽を静かに流すこともあります。
開式の辞
司会者から開式の言葉が述べられます。開式の言葉では合わせて無宗教葬儀を執り行う経緯などをお伝えするとよいでしょう。ご参列いただいた方に、故人やご家族の想いをお伝えする大切な時間です。
黙祷
無宗教葬では、仏式の葬儀で行われる「読経」や「焼香」の代わりに、「黙祷」や「献花」が行われることが多くなっています。無宗教葬儀では仏式の読経がありませんので、ここでご会葬者全員による黙祷を捧げます。目を瞑り少し頭を下げて、静かに黙祷を捧げましょう。
献奏(けんそう)・経歴・エピソード紹介
献奏とは故人様が愛した音楽や曲を捧げることです。バンドやオーケストラによる生演奏だけでなく、音楽に合わせて故人様の思い出のスライドを上映したり、曲にまつわるエピソード、どなたからの依頼であるかということを紹介したりするのもよいでしょう。
故人様が歩まれた経歴を司会者から紹介したり、故人様の生前の姿を動画や写真のスライドを用いて上映されるケースもあります。また、故人様からご遺族やご親族、友人・知人に宛てたメッセージがエンディングノートなどで準備されていた場合は、このタイミングで紹介されます。
弔電の紹介
お悔やみの電報を司会者が読み上げます。仏式の葬儀と同様です。
参列者代表からのお別れの言葉・弔辞
故人と親しかったご友人などから、故人へお別れの言葉を贈ります。
ご遺族代表からの感謝の言葉
喪主様から、ご参列くださった皆様への感謝の言葉を述べます。
献花
献花は故人様を弔うために祭壇に花を供えるもので、仏式で言うところの焼香と同様に考えられます。無宗教葬儀では、焼香の代わりに献花でお別れすることが多く、献花には白菊、ユリ、カーネーション、バラなどが一般的に用いられますが、故人が好きだった花を手向けることも可能です。
なお、無宗教葬儀であっても焼香だけは行いたいという方も多く、そのような時は焼香を行っても問題ありません。しかし、会場がホテルなどの他の利用客も多く集まる会場であった場合は、火を扱うことや匂いなどの理由から焼香は禁止していることもあります。
最後のお別れの時間(花入れ)
祭壇や供花に使われていた花の頭を切り取り、棺に納めます。故人のお顔を見ながら、最後のお別れをする大切な時間です。
閉式の辞
司会者による閉式の言葉が告げられます。
ご出棺
お柩を霊柩車にお乗せし、火葬場へ向かいます。
火葬・ご収骨
当地方では「告別式の日の朝に火葬場に向かい、ご収骨後に告別式を執り行う」風習もございますが、無宗教葬儀の場合も同様に、ご希望に応じてどちらの流れでも対応可能です。
会食
すべてが終了した後、お食事の時間を設けることもあります。
このように、無宗教葬儀では決まった型がない分、ご遺族と葬儀社が一緒に内容を組み立てていくことになります。中本葬祭では、故人らしさを大切にしながら、参列される方が戸惑わないよう丁寧に進行をサポートいたします。
無宗教葬儀を選ぶ理由と知っておきたい配慮点
無宗教葬儀が選ばれる理由
特定の宗教や信仰を持たず、これまでの生活の中で宗教的な行事に馴染みのない方は、無宗教葬を選ばれることが多いです。また、決まった儀式やしきたりに従うことに抵抗を感じる場合や、宗教的要素に意味を見いだせない場合には、形式にとらわれずに故人を偲ぶことができる無宗教葬が適しています。
さらに、宗教者へのお礼、特に仏教での僧侶へのお礼、お布施、戒名代などは合わせると数十万円になることがほとんどです。それらの出費がない分、負担が小さくなるのも利点です。
菩提寺との関係に注意が必要
無宗教葬儀を検討する際、最も注意が必要なのが菩提寺との関係です。菩提寺とお付き合いがある方や、お寺の檀家専用墓地に一族のお墓があるという方は、菩提寺から納骨を断られてしまう可能性が高いため、無宗教葬はおすすめできません。
もし、先祖代々のお墓に納骨を考えているのであれば、まずは菩提寺に無宗教葬を希望していることを相談し、許可を得てから行う必要があります。また、許可が得られず、それでも無宗教葬を行いたいということであれば、先祖代々のお墓に納骨することは諦め、納骨堂や樹木葬など、宗旨・宗派に関わらず納骨できる納骨先を見つけなければなりません。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町では、菩提寺をお持ちのご家庭が多いため、この点は特に慎重にご検討いただきたいところです。中本葬祭では、菩提寺への事前のお声がけの仕方や、納骨先のご相談も承っております。
親族の理解を得ることの大切さ
無宗教葬は近年増加傾向にありますが、まだまだ一般的な葬儀のように世の中に浸透しているとは言えません。特に、親族の中で伝統や宗教を重んじる方がいる場合などには、後々のトラブルに発展してしまう可能性も考えられますので、家族や親族とも事前に話し合い、みなさんの合意の上で行なうことをおすすめします。
当地域では地域のつながりが深いため、区長・組長への早めのご連絡も大切です。「宗教儀式は行わないが、きちんとお見送りをする」という意向を丁寧にお伝えすることで、ご理解いただけるケースが多いです。
葬儀後の供養についても考えておく
無宗教葬は、宗教者を呼ばない葬儀です。葬儀に宗教者がいないということは、その後の供養も自ら考えなければなりません。自由葬で葬儀を執り行ったからといって、葬儀後のご供養のあり方も必ず無宗教にする必要はありません。四十九日法要や年季法要を仏式で行うなど、宗教儀式を求めることもできます。
もし親族の中に宗教儀式による法要を望む方がいるなら、そのお気持ちに配慮する必要もあるでしょう。葬儀を終えた後、どのような形でご供養を行っていくのか、ご親族の間で改めて話し合うのが望ましいといえます。
無宗教葬儀の費用相場と内訳(2026年時点)
無宗教葬の形式は自由な形式で行えるので、人によって内容が異なるため費用の相場というものがありません。無宗教葬儀をするにあたって、一般的にかかる費用内容としては、ご遺体の搬送費や式場使用料、祭壇料、棺代などがあります。
無宗教葬ではお布施など宗教者に渡すお金は不要です。その分の費用は節約できますが、宗教者に手渡す以外のお金は、仏式の葬儀や神道式の葬儀など一般的な宗教葬と同じくらいの費用がかかるので注意しましょう。
献花をする場合は献花用の花を用意する必要がありますし、プロの音楽家による献奏を希望したり、人生の歩み映像を上映するなど特別な演出を希望する場合には、別途費用が掛かります。
無宗教葬儀の形は千差万別です。「無宗教葬儀だから葬儀も安くなる」というのではなく、「工夫次第で費用をおさえることはできる」と考えておくといいでしょう。演出内容によっては、仏式の葬儀と同等か、それ以上の費用がかかる場合もあります。
一般的には、お布施が不要な分、仏式の葬儀より10万円前後安くなると言われていますが、内容次第で大きく変わります。予算を先に決めて、その範囲内で内容を組み立てていくのがおすすめです。
詳しい費用のお見積もりは、ご希望の内容をお伺いしたうえでご提示いたします。中本葬祭の葬儀費用のご案内はこちらもご参照ください。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での無宗教葬儀
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町(これらはいずれも熊野地域に属し、葬儀の慣習は共通しています)では、古くから菩提寺との結びつきが強く、仏式での葬儀が主流です。そのため無宗教葬儀を選ばれるご家庭はまだ少数ですが、近年は少しずつ増えてきています。
当地では、ご香典を辞退されるケースがかなり増えており、「むしろご辞退されるケースが一般的」と言って差し支えない状況です。無宗教葬儀の場合も、ご香典の取り扱いについては事前に周囲にお伝えしておくとスムーズです。
また、地域のつながりが深い土地柄のため、無宗教葬儀であっても区長・組長への早めのご連絡が望ましいです。「宗教儀式は行いませんが、故人を大切にお見送りいたします」と丁寧にお伝えすることで、ご理解いただけることが多いです。
火葬場については、新宮市斎場などが地域の中心です。無宗教葬儀であっても火葬の流れは同じですが、当地方特有の「告別式の日の朝に火葬場に向かい、ご収骨後に告別式を執り行う」流れをご希望される場合は、その旨を事前にお伝えください。
納骨先については、菩提寺のお墓が使えない場合、公営墓地や民間霊園、納骨堂、樹木葬、海洋散骨など、宗教を問わない選択肢がございます。当地域の納骨先についても、中本葬祭がご案内いたしますのでご相談ください。
中本葬祭では、新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町で年間300件以上の葬儀を手掛けてまいりました。無宗教葬儀についても、地域の慣習や菩提寺との関係を踏まえたうえで、ご遺族のお気持ちに寄り添いながら丁寧にサポートいたします。
よくある質問
無宗教葬儀では戒名や位牌は必要ですか?
無宗教葬を行う上で戒名は必要ありません。位牌も仏教の教えに基づくものですので不要です。ただし、お寺に納骨する際は戒名がないと受け入れてもらえない場合があるので、菩提寺がある場合は相談してみましょう。ご希望があれば位牌を作ることも可能です。
無宗教葬儀に参列する際の服装は?
無宗教の葬儀の場合には、特に決まった進行はありません。また、作法についてもルールが用意されていませんが、通常は故人に敬意を表して略式の喪服で参列するようにします。ご遺族から平服を指定する案内がある場合もありますが、その場合でもダークスーツや地味な色合いのワンピースなど、喪服に準じる服装が望ましいです。数珠は不要です。
無宗教葬儀でも香典は持参しますか?
無宗教であっても葬儀には違いありませんので、香典は遺族が辞退していない限り持参します。香典袋に決まりはないものの、不祝儀用の袋や白い無地の封筒などを用意して、宗教に関係なく使える御霊前やお香典、御花料などを表書きに用います。当地域ではご香典を辞退されるケースが増えていますので、事前にご確認ください。
献花の仕方がわからないのですが?
献花は、まず花を受け取り右手を花の部分に添え、左手で茎を持ちます。祭壇に進む前にご遺族に一礼をし、祭壇の前で茎を祭壇に向けて手元に花を引き寄せます。左手を上向きにして花を持ち替え、そっと祭壇に置き、手を合わせて頭を下げ、黙祷をします。献花を終えたらご遺族に再び一礼をし、席に戻ります。前の方に倣って行えば大丈夫です。
無宗教葬儀の後、法要はどうしたらいいですか?
自由葬で葬儀を執り行ったからといって、葬儀後のご供養のあり方も必ず無宗教にする必要はありません。四十九日法要や年季法要を仏式で行うなど、宗教儀式を求めることもできます。ご親族の中に宗教儀式による法要を望む方がいる場合は、そのお気持ちに配慮して決めることが大切です。葬儀社にもご相談ください。
まとめ
無宗教葬儀(自由葬)は、宗教的な儀式にとらわれず、故人らしくお見送りできる葬儀のかたちです。献花や黙祷、音楽演出、思い出の紹介など、自由に内容を組み立てられる一方で、決まった式次第がない分、葬儀社との綿密な打ち合わせが大切になります。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、菩提寺をお持ちのご家庭が多いため、無宗教葬儀を選ばれる際は事前に菩提寺や親族とよく話し合い、納骨先についても確認しておくことが重要です。地域のつながりが深い土地柄ですので、丁寧なご説明がトラブルを防ぐことにつながります。
費用については、お布施が不要な分抑えられる面もありますが、演出内容によっては仏式と同等かそれ以上になることもあります。予算を先に決めて、その範囲内で故人らしい内容を組み立てていくのがおすすめです。
無宗教葬儀は、故人の意志を尊重し、ご遺族が納得できるお見送りをするための選択肢のひとつです。わからないことや不安なことがあれば、どうぞ遠慮なく葬儀社にご相談ください。
お見積もり・ご相談は無料です。24時間365日、フリーダイヤル 0120-52-4966 にて承っております。突然のご不幸や、終活のご相談など、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。
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中本葬祭は、新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町に6つの葬儀会場を備え、ご家族の状況に合わせた葬儀をご案内しています。お急ぎの場合は、24時間つながるフリーダイヤルへご連絡ください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
