「葬儀は必ず行わなければならないのでしょうか」という質問をいただくことがあります。最初に区別したいのは、法律上必要な手続きと、通夜や告別式などの儀式としての葬儀です。
火葬や埋葬には市町村長の許可が必要ですが、通夜や告別式をどの規模で行うかまで法律で一律に決められているわけではありません。ご家族の考え方、宗教、地域の慣習、故人の希望に応じて選べます。
法律上必要な手続きと葬儀は別のもの
厚生労働省が案内する墓地埋葬法では、火葬や埋葬を行う場合、市町村長の許可を受ける必要があります。火葬は許可を受けた火葬場で行い、火葬許可証などの手続きが必要です。
一方、通夜、読経、告別式、会食などの内容は、宗教や地域、ご家族の希望によって異なります。儀式を大きく行うことだけが正解ではなく、家族だけで見送る方法や、火葬を中心に行う方法もあります。
葬儀が果たす主な役割
故人とお別れする時間を持つ
ご家族や親しい方が故人のお顔を見て、言葉をかけ、感謝を伝える時間になります。どのようにお別れしたいかは人によって異なるため、静かに過ごす時間を中心にすることもできます。
死を受け止める節目をつくる
大切な方の死をすぐに受け止めることは難しいものです。安置、納棺、通夜、告別式、火葬という時間の経過が、ご家族にとって一つずつ現実と向き合う節目になる場合があります。
周囲へ知らせ、弔意を受け取る
故人と関わりのあった方へ訃報を伝え、弔意や思い出を受け取る場にもなります。一方で、ご家族の負担を考え、参列範囲を限定したり、後日お別れの機会を設けたりする方法もあります。
宗教や地域の儀礼を行う
仏式、神式、キリスト教式などでは、死者を送る意味や儀礼が異なります。菩提寺や所属する宗教者がいる場合は、葬儀形式を決める前に相談してください。
葬儀を行うかではなく、どのように見送るか
「葬儀をする」「葬儀をしない」という二択で考える必要はありません。家族葬、一日葬、火葬式、一般葬など、時間、人数、宗教儀礼の組み合わせによってさまざまな形があります。
- 誰に参列してほしいか
- 故人へどのように感謝を伝えたいか
- 宗教者や菩提寺へ何を確認するか
- ご家族の体力や費用面で無理がないか
- 参列できない方へどう知らせるか
中本葬祭が大切にしていること
中本葬祭では、葬儀を単に形式を整える場ではなく、故人へ「ありがとう」を伝える時間として大切にしています。ただし、感謝の伝え方や必要と感じる儀式はご家族ごとに異なります。特定の形式を押し付けず、ご希望を伺いながら一緒に整えます。
感謝や人とのつながりという観点は、続編の葬儀が家族に果たす役割で詳しくご紹介します。
まとめ
火葬や埋葬には法律上の手続きが必要ですが、通夜や告別式の規模と形式は一律ではありません。葬儀には、お別れ、死を受け止める節目、弔意を受け取る場、宗教儀礼などの役割があります。故人とご家族にとって必要な時間を考え、無理のない形を選んでください。
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
