葬儀を終えてご自宅へ戻ると、「遺影はいつまで後飾り祭壇に置くのか」「四十九日の後は仏壇の中へ入れるのか」「和室がない家ではどこに置けばよいか」と迷うことがあります。
遺影の置き場所は一律ではありません。一方、仏壇は宗派のご本尊をおまつりする場所であり、宗派や寺院、ご家庭の考えによって整え方が異なります。まず葬儀後に設置された場所を基準にし、その後は手を合わせやすさ、宗教上の位置関係、写真の保存、安全性を順に確認してください。
結論|四十九日前後で一度見直し、宗派と暮らしに合う場所を選びます
中本葬祭の公式「葬儀の流れ」では、葬儀終了後に担当者がご自宅へ伺い、後飾り祭壇を設置して今後の流れを説明すると案内しています。設置直後は、遺影、遺骨、白木位牌、供物などを自己判断で大きく動かさず、担当者から説明された配置を基準にしてください。
その後は、次の順で考えると整理しやすくなります。
- 四十九日法要までの後飾り祭壇の配置を確認する
- 法要後に祭壇を片付ける時期を菩提寺や葬儀社へ確認する
- 仏壇がある場合は、ご本尊や位牌との位置関係を菩提寺へ確認する
- 日常的に手を合わせやすく、転倒や写真劣化を防げる場所を選ぶ
- 大きな遺影を飾り続けにくい場合は、小さい写真やアルバムも検討する
四十九日法要の有無や時期、後飾り祭壇の扱いは、宗教・宗派、寺院、地域、ご家庭で異なります。「四十九日になれば必ずこの配置へ変える」と決めつけず、菩提寺と担当者へ確認してください。
四十九日までは設置された後飾り祭壇を基準にします
葬儀後の後飾り祭壇は、ご自宅で故人を偲び、弔問を受ける場所にもなります。中本葬祭が設置した場合は、遺影だけを別室へ移す前に、遺骨、白木位牌、花、供物、香炉などとの配置を担当者へ確認してください。
日々のお供えや花の整え方は、四十九日までのお供えは毎日必要?ご飯・水・花の整え方で解説しています。
ろうそくや線香を使う場合は、写真立てや花、布、紙類から十分に離します。火をつけたままその場を離れず、就寝中や留守中は使用しないでください。小さなお子様やペットがいるご家庭では、手が届かず、倒れにくい場所かも確認します。
法要後は「毎日手を合わせる場所」を先に決めます
後飾り祭壇を片付けた後も、遺影を必ず仏間へ置かなければならないわけではありません。仏間がない住宅では、リビングの棚、故人が過ごしていた部屋、家族が落ち着いて手を合わせられる場所などが候補になります。
置き場所を選ぶときは、見栄えだけでなく次の点を確認してください。
- 家族が無理なく手を合わせられる
- 掃除や写真の手入れを続けやすい
- 直射日光や結露を避けられる
- 額縁が倒れたり落下したりしにくい
- 暖房器具や調理火器から離れている
- 来客から常に見える場所にするか、家族だけの場所にするか合意できている
遺影を見ることがつらい時期や、家族によって飾りたい場所が異なる場合もあります。すぐに一つの正解を決めず、しばらく保管してから場所を選ぶ方法もあります。
仏壇の近くへ置く場合は、ご本尊を隠さないようにします
仏壇は、故人の写真だけを飾る棚ではありません。宗派ごとのご本尊を中心に、位牌や仏具を整える信仰の場所です。
曹洞宗の公式案内は、仏壇の中心はご本尊であり、分からないことは菩提寺へ確認するよう案内しています。日蓮宗の公式Q&Aも、ご本尊や位牌の位置を説明しつつ、仏壇を置く場所に絶対的な決まりはなく、大切に扱い、清潔で落ち着いて礼拝できる場所を選ぶとしています。
仏壇の近くへ遺影を置く場合は、ご本尊を隠したり、礼拝の妨げになったりしない位置を選びます。仏壇の内部、上、左右のどこがよいかは、宗派や仏壇の形によって異なるため、一般論だけで決めず菩提寺へ確認してください。
仏壇や位牌の準備に迷う場合は、中本葬祭の葬儀後のアフターフォローもご確認ください。
和室の高い位置へ飾る場合は落下対策を優先します
和室の長押や壁の高い位置へ遺影を飾るご家庭もあります。しかし、高い場所へ置くことが必須の作法ではありません。額縁は重さがあり、地震や固定具の劣化で落下すると、写真が壊れるだけでなく人に当たるおそれがあります。
壁へ掛ける場合は、壁材と額縁の重さに合う金具を選び、ひもや金具の傷みを定期的に確認します。棚へ置く場合は、安定した写真立てを使い、通路や扉のそば、家具の端を避けます。背の高い家具そのものの転倒対策も必要です。
地震時に落ちる可能性がある場所や、脚立がなければ手入れできない場所は避け、日常的に安全を確認できる高さを選んでください。
直射日光・湿気・温度差から写真を守ります
写真と額縁を長く保つため、次の場所は避けます。
- 強い直射日光が当たり続ける窓際
- 浴室、洗面所、調理台の近くなど湿気の多い場所
- エアコンの風や暖房器具の熱が直接当たる場所
- 結露しやすい外壁や窓の近く
- 油煙やほこりが付きやすく、掃除しにくい場所
写真は時間とともに色あせることがあります。元データがある場合は複数の保存先へバックアップし、紙写真しかない場合は状態のよいうちに複写やデータ化を検討します。額の内側に湿気や汚れが見える場合は、無理に分解せず写真店や額縁店へ相談してください。
大きな遺影を飾り続けにくいときは形を変えられます
葬儀会場で使った大きな遺影が住宅に合わない場合は、同じ写真から小さいサイズを作る、家族写真としてアルバムへ保管する、デジタルデータを安全に保存する方法があります。
写真のサイズに一律の決まりはありません。祭壇用の大きな遺影と、ご自宅で扱いやすい小さな写真を分けて用意する考え方は、ご遺影のサイズと規格|四つ切とは?新宮市での写真選びで確認できます。
遺影を複製するときは、元の紙写真やデータをなくさないよう先に保管場所を決めます。クラウドサービスを使う場合は、家族が将来もアクセスできるよう、アカウントの管理方法も共有してください。
遺影を飾らない選択も、急いで処分しない選択もできます
遺影を常に見える場所へ飾るかどうかは、ご家族の気持ちや住まいによって決められます。飾らないから故人を大切にしていない、長く飾るから正しいということではありません。
置き場所が決まらない場合は、写真を清潔な箱やアルバムに収め、直射日光と湿気を避けて保管できます。処分やお焚き上げを考える場合は、写真だけなのか、宗教的な扱いを受けた額や付属品があるのかを確認し、菩提寺や葬儀社へ相談してください。
ご家族の中で意見が分かれる場合は、元の遺影を一か所に保管し、希望する家族が小さい複製を持つ方法もあります。
よくある質問
遺影は四十九日まで必ず後飾り祭壇へ置きますか?
葬儀後に後飾り祭壇が設置された場合は、その配置を基準にします。ただし法要や祭壇の扱いは宗教・宗派、寺院、ご家庭で異なるため、担当者と菩提寺へ確認してください。
四十九日後は遺影を仏壇の中へ入れますか?
一律には決められません。仏壇はご本尊を中心に整える場所なので、ご本尊を隠さず、宗派の考えに合う位置を菩提寺へ確認してください。
リビングに遺影を置いてもよいですか?
家族が落ち着いて手を合わせられ、安全に保てる場所であれば候補になります。直射日光、湿気、火気、転倒・落下の危険がないかを確認します。
大きな遺影を飾る場所がありません。小さくしてもよいですか?
写真の大きさに一律の決まりはありません。同じ写真から小さいサイズを作る、アルバムやデータとして保管するなど、住宅事情に合う方法を選べます。
まとめ
葬儀後の遺影は、まず担当者が設置した後飾り祭壇の配置を基準にします。四十九日前後で祭壇を片付けるときは、菩提寺や葬儀社へ確認し、ご本尊を妨げず、家族が手を合わせやすく、安全に写真を守れる場所を選んでください。
中本葬祭では、葬儀後の後飾り祭壇、仏壇、位牌、手元供養などのご相談を承っています。配置や片付ける時期に迷ったときは、資料請求・お問い合わせからご相談ください。
出典
確認日:2026年8月19日
- 中本葬祭「葬儀の流れ」
- https://nakamoto.jp/flow/
- 中本葬祭「アフターフォローについて」
- https://nakamoto.jp/about/follow/
- 曹洞宗 曹洞禅ネット「お仏壇のまつり方」
- https://www.sotozen-net.or.jp/ceremony/memorial/obutsudan
- 日蓮宗ポータルサイト「仏壇について」
- https://www.nichiren.or.jp/qa/butsudan/
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
