突然のご不幸で葬儀に参列することになったとき、「黒いストッキングでいいのか、それとも黒タイツなのか」「どの程度の厚さが適切なのか」と迷われる方は少なくありません。特に普段あまり喪服を着る機会がない方にとっては、細かな服装マナーは不安の種になりがちです。ここでは新宮市を拠点に年間300件以上の葬儀を施行してきた中本葬祭が、葬儀でのストッキングのマナーについて、地域の慣習も踏まえながら丁寧に解説いたします。
葬儀でのストッキングの基本マナー
葬儀やお通夜に参列する際、女性は基本的に黒のストッキングを着用するのが一般的なマナーとされています。素足は避け、たとえ夏の暑い時期であっても黒いストッキングを履くことが、故人やご遺族への礼儀とされています。
ストッキングのデニール数(厚さを示す単位)については、明確な決まりがあるわけではありませんが、一般的には20デニール程度から30デニール程度の、ほどよく透け感のあるものが無難とされています。透け感が強すぎると軽い印象になりがちですし、逆に厚すぎるとタイツに近づき、地域や年齢層によっては好まれない場合もあります。
色については漆黒(しっこく)が望ましく、グレーがかったものや光沢の強いもの、ラメ入りなどの装飾があるものは避けてください。また、網タイツや柄入りのストッキングも葬儀の場にはふさわしくありません。シンプルで無地の黒を選ぶことが大切です。
新宮市や那智勝浦町、太地町、三重県紀宝町といった当地域でも、この基本的なマナーは共通しています。地域のつながりが深い土地柄ですので、服装の乱れは周囲の目に留まりやすく、ご遺族への配慮という意味でも、きちんとした装いを心がけることが大切です。
なお、万が一ストッキングが伝線してしまった場合に備えて、予備のストッキングを持参することをおすすめします。葬儀は長時間にわたることも多く、移動中や正座の際に伝線してしまうこともありますので、バッグに一足忍ばせておくと安心です。
黒ストッキングと黒タイツの違いと使い分け
「黒いストッキング」と「黒いタイツ」は一見似ていますが、葬儀のマナーにおいては明確な違いがあります。一般的に30デニール未満をストッキング、30デニール以上をタイツと呼び分けることが多いです。
黒タイツの着用については、地域や世代、季節によって考え方が分かれます。真冬の寒い時期であれば、60デニール程度までの黒タイツは許容されることもありますが、年配の方や格式を重んじる方の中には「葬儀にタイツは好ましくない」という考えをお持ちの方もいらっしゃいます。
当地域では、冬場であっても薄手の黒ストッキングを基本とされる方が多い印象です。新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町は比較的温暖な気候ですので、真冬でも極端な寒さになることは少なく、30デニール程度のストッキングでも対応できるケースがほとんどです。寒さ対策としては、ストッキングの下に肌色のタイツを重ねるなど、見た目に影響しない工夫をされる方もいらっしゃいます。
一方で、喪主やご親族の立場であれば、より慎重な選択が求められます。参列者よりも長時間、多くの方の前に立つ立場ですので、どの年代の方から見ても違和感のない、薄手の黒ストッキングを選ばれることをおすすめします。
私たち中本葬祭がこれまで施行してきた葬儀においても、参列される女性の多くは透け感のある黒ストッキングを着用されています。ご不安な場合は、30デニール以下の黒ストッキングを選んでおけば、どのような場面でも失礼にあたることはないでしょう。
また、最近ではストッキング着用そのものに疑問を持つ声もありますが、葬儀という厳粛な場においては、まだまだ伝統的なマナーが重んじられています。特に地域のつながりが深い当地域では、周囲への配慮として、慣習に沿った装いを心がけることが、結果的にご遺族を支えることにもつながります。
季節や年齢による選び方のポイント
葬儀でのストッキング選びは、季節や参列者の年齢、立場によっても少しずつ配慮すべきポイントが変わってきます。
夏場の暑い時期は、どうしても素足で過ごしたくなるものですが、葬儀では季節を問わずストッキングの着用が基本です。暑さ対策としては、吸汗速乾性のある夏用の薄手ストッキング(15〜20デニール程度)を選ぶと良いでしょう。ただし薄すぎて肌が透けすぎるのも好ましくないため、20デニール程度を目安にされると安心です。
冬場の寒い時期は、前述のとおり厚手のタイツを選びたくなりますが、葬儀の場では30デニール前後のストッキングが無難です。新宮市や那智勝浦町、太地町、紀宝町は黒潮の影響で比較的温暖ですが、それでも冬の式場は冷えることがあります。式場内は暖房が効いていることが多いものの、ご出棺の際など屋外に出る場面もありますので、防寒用のインナーやひざ掛けを持参されると良いでしょう。
年齢による違いも、実は気にされる方が多い点です。若い世代の方は薄手のストッキングでも問題ありませんが、年齢を重ねると肌の状態が気になり、少し厚手のものを選びたくなることもあるかもしれません。その場合でも、40デニールを超えるとタイツの印象が強くなりますので、30デニール前後に留めておくことをおすすめします。
また、妊娠中の方は、マタニティ用の黒ストッキングやタイツを着用されても構いません。体調と安全が最優先ですので、無理のない範囲で黒を基調とした装いを心がければ、周囲も理解を示してくださるはずです。
当地域では菩提寺をお持ちのご家庭が多く、ご住職や檀家の方々との関係も深いため、服装マナーへの意識は比較的高い傾向にあります。私たち中本葬祭がお手伝いしてきた葬儀でも、年齢や季節を問わず、きちんとした黒のストッキングで参列される方がほとんどです。迷ったときは、シンプルで控えめな装いを選ぶことが、何よりも安心につながります。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町での実際のケース
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町は、熊野地域として文化や生活圏を共有しており、葬儀の慣習も共通している部分が多くあります。当地域では昔から地域のつながりが深く、葬儀には多くの方が参列されるため、服装マナーにも自然と配慮が行き届いています。
実際に中本葬祭で施行した葬儀においても、女性の参列者の多くは20〜30デニールの黒ストッキングを着用されています。特に喪主やご親族の女性は、ほぼ例外なく薄手の黒ストッキングを選ばれており、タイツを履いている方は極めて少ない印象です。
当地域特有の慣習として、「告別式の日の朝に火葬を行い、ご収骨後に告別式を執り行う」流れを選ばれるご家族も多くいらっしゃいます。この場合、朝早くから火葬場へ向かい、その後式場へ戻るという移動がありますので、動きやすさと礼儀を両立した服装が求められます。ストッキングも伝線しにくい品質のものを選び、予備を持参されることをおすすめします。
また、当地域ではご香典を辞退されるケースが一般的になってきていますが、服装マナーについては依然として慣習が尊重されています。香典は辞退しても、参列者の装いはきちんとしている――これが、故人への敬意であり、ご遺族への思いやりであるという考え方が根付いているのです。
紀宝町は三重県に属しますが、熊野川を挟んで新宮市と隣接しており、葬儀社や火葬場も新宮市内を利用されることが多いため、服装マナーも新宮市とほぼ同じです。地域の一体感が強いため、葬儀においても和歌山県・三重県の県境を意識することなく、同じ文化圏として捉えていただいて問題ありません。
よくある質問
葬儀に参列する際、黒ストッキングは何デニールが適切ですか?
一般的には20〜30デニール程度の、ほどよく透け感のある黒ストッキングが無難です。地域やご年齢により多少の幅はありますが、30デニールを超えるとタイツの印象になるため、ストッキングとしては薄手を選ばれることをおすすめします。
冬の葬儀では黒タイツを履いても大丈夫ですか?
真冬であれば60デニール程度までのタイツは許容される場合もありますが、年配の方や格式を重んじる方の中には好ましく思わない方もいらっしゃいます。新宮市周辺は比較的温暖ですので、30デニール前後のストッキングで対応される方が多い印象です。
夏場でも黒ストッキングは必要ですか?
はい、夏場であっても葬儀では黒ストッキングの着用が基本マナーとされています。素足は避け、吸汗速乾性のある夏用の薄手ストッキング(15〜20デニール程度)を選ぶと快適に過ごせます。
ストッキングが伝線してしまった場合はどうすればよいですか?
予備のストッキングを持参しておくと安心です。葬儀は長時間にわたることが多く、移動や正座で伝線するリスクがありますので、バッグに一足忍ばせておくことをおすすめします。
喪主の立場ではどのようなストッキングを選ぶべきですか?
喪主やご親族の立場では、より慎重に薄手の黒ストッキング(20〜30デニール)を選ばれることをおすすめします。多くの参列者の前に立つ立場ですので、どの年代の方から見ても違和感のない装いを心がけましょう。
まとめ
葬儀でのストッキングは、故人への敬意とご遺族への配慮を形にする大切なマナーのひとつです。基本は黒の無地、20〜30デニール程度を目安にし、季節や立場に応じて適切なものを選びましょう。黒タイツとの違いや、透け感の程度に迷われたときは、薄手のストッキングを選んでおけば失礼にあたることはありません。
新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町といった当地域では、地域のつながりが深く、葬儀の場でも伝統的なマナーが尊重されています。細かな服装の配慮が、ご遺族を支え、故人を偲ぶ気持ちを表すことにつながります。
服装や葬儀の準備について少しでもご不安があれば、遠慮なく葬儀社にお尋ねください。地域の慣習や、その日の流れに応じた装いのアドバイスをお受けいただけます。
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この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
