大切な方を亡くされ、家族葬でお見送りすることを決められたご遺族の中には、「供花やお香典をご辞退したい」とお考えになる方が少なくありません。ただ、どのように伝えればご参列の方々に失礼にならないか、迷われることと思います。新宮市で年間300件以上の葬儀をお手伝いしてきた中本葬祭が、供花辞退の伝え方とマナーを、文例とともにご案内いたします。
家族葬における供花辞退の基本知識
供花(きょうか)とは、故人様への哀悼の意を表し、式場を飾るためにお贈りいただくお花のことです。一般的には花輪や籠花、スタンド花などの形でご用意いただきますが、家族葬では「ご家族だけで静かにお見送りしたい」という想いから、供花をご辞退されるケースが増えています。
供花を辞退する理由はご家族によってさまざまです。式場のスペースに限りがある、シンプルな祭壇にしたい、故人様の遺志である、返礼の負担を減らしたい、といった事情が考えられます。いずれの理由であっても、供花辞退は失礼にあたるものではありません。大切なのは、事前に明確にお伝えすることです。
供花辞退とお香典辞退は別々に判断できます。「供花のみ辞退してお香典はお受けする」「供花もお香典も両方辞退する」など、ご家族の意向に応じて組み合わせることが可能です。新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、お香典を辞退されるケースが近年非常に多くなっていますが、供花については受け取られるご家族、辞退されるご家族、どちらもいらっしゃいます。
供花を辞退する場合、訃報の連絡や案内状で事前に明記しておくことが最も重要です。口頭のみの伝達では伝わりきらないこともあるため、文書やメッセージで明確に記載することをお勧めいたします。また、辞退の旨を伝えたにもかかわらず、当日お持ちになる方や事前に手配される方もいらっしゃいますので、その場合の対応も事前に考えておくと安心です。
供花辞退を伝える具体的な文例とタイミング
供花辞退の意思は、訃報の連絡を差し上げる際に一緒にお伝えするのが最も確実です。電話、メール、LINEなど連絡手段は問いませんが、口頭の場合でも後から文面でも送っておくと誤解を防げます。以下、場面別の文例をご紹介します。
訃報メール・LINEでの文例
「このたび、父○○が〇月〇日に永眠いたしました。葬儀は故人の遺志により家族のみで執り行います。誠に勝手ながら、ご供花ご供物ならびにご香典は辞退申し上げます。故人が生前賜りましたご厚誼に心より感謝申し上げます。」
訃報通知はがき(会葬案内)での文例
「なお 誠に勝手ながら ご供花ご供物の儀は固くご辞退申し上げます」
お香典も辞退する場合は、「ご供花ご供物ならびにご香典の儀は固くご辞退申し上げます」とまとめて記載します。
電話での伝え方
「恐れ入りますが、故人の希望もあり、供花とお香典は辞退させていただきたく存じます。お気持ちだけありがたく頂戴いたします」と、やわらかい口調で丁寧にお伝えします。
訃報連絡のタイミングは、家族葬の場合、葬儀後にお知らせすることもありますが、供花辞退をお伝えする際は、式前に連絡できる方には事前に伝えておくほうが親切です。後日お知らせする場合は、「葬儀は近親者のみで執り行いました。ご供花ご香典は辞退させていただきましたことをご了承ください」といった形で、すでに済んだ事柄として記載します。
私たちが新宮市や那智勝浦町でお手伝いするご家族からも、「どう書けばいいか分からない」とご相談をいただくことがよくあります。その際は、ご家族の想いや故人様のご意向を伺いながら、適切な文例をご提案しております。
供花辞退時によくある誤解と当日の対応
供花を辞退すると伝えたにもかかわらず、善意でお花を手配してくださる方や、当日お持ちになる方がいらっしゃることがあります。これは決して悪意ではなく、故人様を想う気持ちの表れです。無下にお断りするのではなく、柔軟に対応することが望ましいとされています。
すでに式場に届いてしまった供花については、ご厚意に感謝してお飾りするケースが一般的です。辞退の連絡が行き届いていなかった可能性もありますし、強くお断りすることでかえって相手を傷つけてしまうこともあるためです。この場合、後日お礼状とともに、辞退の意向をお伝えしていたことへのお詫びを添えると丁寧です。
当日手渡しでお花をお持ちになった場合も同様に、感謝の意を示しながら受け取ることが多いです。ただし、どうしても辞退したい場合は、葬儀社スタッフから柔らかくお伝えすることもできますので、事前にご相談ください。
供花辞退を伝えたことで「失礼ではないか」と心配されるご遺族もいらっしゃいますが、現在では家族葬の普及とともに、供花辞退は一般的なマナーとして受け入れられています。むしろ事前に明確にお伝えすることで、相手も迷わずに済み、お互いにとって負担が少なくなります。
注意点として、供花を辞退する一方で、ご自身で手配した祭壇花や献花のみで式を進めることになります。式場の雰囲気づくりについては、葬儀社と事前に相談し、シンプルでも温かみのある空間をつくることが大切です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での地域特性
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町といった紀南・東紀州地域では、昔から地域コミュニティのつながりが深く、葬儀は地域全体で故人様をお見送りする性格を持っていました。そのため、供花やお香典も地域の皆様からたくさんお寄せいただくのが一般的でした。
しかし近年、当地域でも家族葬が増加しており、それに伴い供花やお香典を辞退されるご家族が増えています。特にお香典については、辞退されるケースが非常に多く、むしろ辞退が一般的と言える状況になっています。供花についても、「家族だけで静かに」という想いから辞退されることが増えてきました。
ただし、菩提寺をお持ちのご家庭が多い土地柄ですので、ご住職や檀家とのご関係、地区の区長や組長への配慮は今も大切にされています。供花を辞退する場合でも、こうした関係者への連絡は早めに、丁寧に行うことをお勧めします。地域によっては、近所の方がお手伝いに来てくださる文化も残っていますので、辞退の意向と併せて、どの範囲の方にお知らせするかを整理しておくとスムーズです。
紀宝町は三重県に属しますが、熊野川を挟んで新宮市と隣接し、生活圏・文化圏は一体です。葬儀の慣習や供花・お香典の扱いについても、新宮市や那智勝浦町、太地町と共通していますので、同じ考え方で対応いただけます。
中本葬祭では、地域の慣習を踏まえながら、ご家族の意向を最優先にした葬儀をご提案しております。供花辞退についても、地域の皆様にどのようにお伝えするか、どなたまで連絡すべきかなど、きめ細かくサポートいたします。
よくある質問
供花だけ辞退して、お香典は受け取ってもよいですか?
はい、問題ありません。供花とお香典は別々に判断できますので、ご家族の意向に応じて組み合わせることができます。その場合は「ご供花は辞退いたしますが、お香典は謹んでお受けいたします」と明記してください。
辞退を伝えたのに供花が届いた場合、どう対応すればよいですか?
ご厚意に感謝してお飾りするのが一般的です。無下にお断りするとかえって失礼になる場合もありますので、柔軟に対応し、後日お礼状で改めて辞退の意向をお伝えしていたことへのお詫びを添えると丁寧です。
家族葬で供花を辞退するのは失礼にあたりませんか?
いいえ、失礼にはあたりません。現在では家族葬の普及とともに、供花辞退は一般的なマナーとして受け入れられています。大切なのは事前に明確にお伝えすることです。
訃報連絡で供花辞退を伝えるタイミングはいつがよいですか?
訃報をお知らせする際に同時にお伝えするのが最も確実です。電話やメール、LINEなどで連絡する際に、供花辞退の旨を必ず明記または口頭でお伝えし、後からでも文面で残しておくと誤解を防げます。
新宮市では供花辞退は一般的ですか?
近年増えてきています。新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、お香典辞退が非常に一般的になっており、供花についても辞退されるご家族が増えています。ただし地域のつながりが深い土地柄ですので、関係者への丁寧な連絡が大切です。
まとめ
家族葬で供花を辞退することは、故人様やご家族の意向を尊重した自然な選択です。大切なのは、事前に明確に、そして丁寧にお伝えすることです。訃報連絡の際に「ご供花は辞退申し上げます」と文面で明記し、口頭でも補足しておくことで、トラブルを防ぐことができます。
もし辞退を伝えたにもかかわらず供花が届いた場合は、ご厚意に感謝して柔軟に対応することが、かえって円満な関係を保つことにつながります。新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町のような地域コミュニティが深い土地では、関係者への配慮も大切ですので、どの範囲まで連絡するか、どのように伝えるかを整理しておくと安心です。
供花辞退の伝え方や文例、当日の対応など、少しでも不安なことがあれば、遠慮なく葬儀社にご相談ください。ご家族の想いに寄り添いながら、穏やかなお見送りができるよう、丁寧にサポートいたします。
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この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
