ご家族がお亡くなりになり、「喪主を誰にするか」「喪主は何をすればいいのか」と不安に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。喪主という立場は人生で何度も経験するものではないため、その役割や決め方に戸惑われるのは当然のことです。この記事では、新宮市を拠点に那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町で年間300件以上のご葬儀をお手伝いしてきた中本葬祭が、喪主の役割と決め方、そして実際にやるべきことを時系列に沿って分かりやすくご説明いたします。
喪主とは|葬儀における役割と責任
喪主とは、葬儀や法事を執り行う責任者を指し、葬儀社や参列者の窓口となって葬儀の内容を決定し、滞りがないように進める役割を担います。葬儀の準備から実施に至るすべてにおいて、喪主が中心となって進めていき、葬儀だけでなく、後に続く年忌法要や納骨等も中心となって執り行います。
ご遺族の代表として葬儀を取り仕切り、参列者への挨拶、葬儀社との打ち合わせ、ご住職への対応など多岐にわたる業務を担うため、喪主の存在は葬儀をスムーズに進めるうえで欠かせません。
なお、喪主と似た言葉に「施主(せしゅ)」がありますが、喪主は遺族の代表者で、施主は葬儀の費用を出す人であることが両者の違いです。実際には喪主と施主を兼任されるケースが一般的ですが、喪主がご高齢の場合などは、ご子息が施主として費用負担や運営の実務を担われることもあります。
喪主の決め方
喪主を務めるのは配偶者や血縁者が一般的ですが、実は「喪主は誰がやるべき」という決まりはありません。一般的には配偶者や血縁関係の近い直系男子、直系女子の順番が多いでしょう。単独ではなく複数人選定しても構いません。
一般的な優先順位としては、故人の配偶者が第一候補となりますが、ご高齢やご病気などで務めることが難しい場合は、ご長男・ご長女、次いでご次男・ご次女といった順で決められることが多いです。また、故人と同居されていたご家族や、地域とのつながりが深い方が喪主を務められるケースもあります。
大切なのは、ご家族・ご親族で十分に話し合い、皆が納得した形で決めることです。喪主の役割は決して軽いものではありませんので、無理をせず、周囲のサポートを受けながら進めることをお勧めいたします。
喪主が実際にやること|葬儀前・当日・葬儀後の流れ
喪主の役割は、ご臨終から葬儀後の法要まで長期にわたります。ここでは時系列に沿って、喪主がやるべきことを具体的にご説明いたします。
葬儀前に喪主がやること
葬儀社の選定からはじまり、葬儀の日程決めや喪主挨拶、金銭管理など多岐にわたる喪主の役割があります。まず最初に行うのは葬儀社への連絡です。ご逝去後、速やかに葬儀社に連絡し、ご遺体の搬送とご安置場所を決定します。
その後、葬儀社との打ち合わせ、宗教者への連絡・日程調整・読経依頼、参列者の範囲決定・訃報連絡・案内状送付、死亡届の記入・提出と火葬許可申請、会食の手配、受付係・会計係の選任といった準備を進めます。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、菩提寺(先祖代々お世話になっているお寺)をお持ちのご家庭が多く、家族葬であってもご住職に読経をお願いするのが一般的です。菩提寺がおありの場合は、葬儀社への連絡と並行してご住職への連絡も早めに行いましょう。
また、役所への死亡届の提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内とされています。死亡届と火葬許可の手続きは葬儀社が代行できる場合が多いため、担当者にご相談ください。
葬儀当日に喪主がやること
葬儀当日は、会場の確認、僧侶の対応、参列者対応、喪主挨拶、香典の受け取り管理、会葬御礼・返礼品の準備、会食でのおもてなしが主な役割となります。
喪主は開式の1〜2時間前には会場入りし、会場の導線や席次、供花や返礼品などの準備状況、式の流れなどを葬儀社と打ち合わせをしながら確認します。ご住職が到着されたら、控え室にご案内し、お布施をお渡しするのも喪主の大切な役目です。
当地方には古くから「告別式の日の朝に火葬場に向かい、ご収骨後に告別式を執り行う」風習がありますが、近年は全国的な流れ(告別式→ご出棺→火葬)を選ばれるご家族も増えています。どちらの流れもご希望に応じて決定できますので、葬儀社と相談しながら進めてまいります。
喪主挨拶は、お通夜の締めくくり、告別式の開始時や出棺時などに行います。故人への感謝、参列者への御礼、生前のご厚誼への感謝を簡潔に述べることが一般的です。事前に文章を準備しておくと、当日落ち着いて挨拶できます。
葬儀後に喪主がやること
葬儀が無事に終わった後も、喪主の役割は続きます。香典帳の整理と香典返しの手配、各種申請手続き、四十九日法要と納骨の準備、法要当日の持ち物の準備などが必要です。
当地域ではご香典を辞退されるケースが増えており、むしろご辞退されるのが一般的といえる状況ですが、ご香典をお受けになった場合は香典帳を整理し、適切なタイミングで香典返しをお送りします。
また、年金受給停止手続き、健康保険の資格喪失届、世帯主変更届など、期限のある行政手続きも多数あります。それぞれ死亡日から数日〜2週間以内など期限が定められていますので、計画的に進めましょう。葬儀社や行政書士などの専門家にご相談いただくこともできます。
費用負担と相続税|2026年時点の制度
喪主の役割を考えるうえで避けて通れないのが、葬儀費用の負担についてです。
葬儀費用は誰が負担するのか
葬儀にかかる費用は、葬儀を執り行う喪主が支払うことが一般的です。ただし、葬儀費用を誰が支払うかについて法的な決まりはありません。親族の話し合いで自由に決めることができ、多くは慣習に従って、故人の配偶者や長男・長女が優先的に喪主となり、葬儀費用を負担しています。
実際には、会葬者から受け取ったご香典を充てるほか、遺族で割合を定めて分担したり、相続財産を充てたりする場合もあります。ご家庭の事情に応じて相続人どうしで話し合って決めるとよいでしょう。
葬儀費用と相続税(2026年時点)
葬儀費用は相続財産の総額からマイナスの財産として差し引くことができます(債務控除)。相続税を計算するときは、一定の相続人および包括受遺者が負担した葬式費用を遺産総額から差し引くことができます。
これにより相続税の課税対象額が減り、税負担が軽減されます。ただし控除できるのは、葬儀社への支払い、お通夜や告別式の費用、火葬・納骨費用、お布施など「葬儀に直接必要な費用」に限られます。香典返しや初七日・四十九日法要の費用、墓石購入費などは対象外ですのでご注意ください。
相続税申告をする際は、葬儀費用の証明として領収書を添付します。お寺へのお布施や心づけや戒名料など領収証が出ない場合は、手書きで構いませんので必ずメモを残しておきます。正確な記録を心がけましょう。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町での喪主の役割
当地域には、喪主の役割にかかわる地域特有の慣習がいくつかあります。私たち中本葬祭が実際にお手伝いしてきた事例をもとにご紹介いたします。
菩提寺との連携
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町(熊野地域)では、菩提寺をお持ちのご家庭が多く、家族葬であってもご住職に読経をお願いするのが一般的です。喪主の重要な役割のひとつが、ご住職との日程調整やお布施のご準備です。宗派により式の進め方や作法が異なるため、菩提寺へのご確認や葬儀社経由のお尋ねをお勧めします。
地域コミュニティへの配慮
当地域は地域のつながりが深い土地柄のため、家族葬であっても区長・組長への早めの連絡が望ましいとされています。喪主として、地域への適切な連絡と配慮を行うことで、後々のトラブルを避けることができます。地区によってはご近所がお手伝いに来てくださる文化が今も残っていますので、受付や会計のお手伝いをお願いする場合もあります。
ご香典辞退のケース
当地域ではご香典を辞退されるケースがかなり増えており、むしろご辞退されるケースが一般的と言って差し支えない状況です。ご香典を辞退される場合は、訃報連絡や案内状の段階でその旨を明記し、周囲にお伝えすることでトラブルを防げます。ただしお持ちになった方のお気持ちを汲み、当日柔軟に対応されるご家族も多くいらっしゃいます。
火葬の流れの選択
当地方には「告別式の日の朝に火葬場に向かい、ご収骨後に告別式を執り行う」という古くからの風習がありますが、近年は全国的な流れ(告別式→ご出棺→火葬)も増えています。喪主として、ご家族・ご親族のご希望を確認し、どちらの流れで進めるかを決定します。いずれの流れでも対応できますので、葬儀社にご相談ください。
よくある質問
喪主は複数人で務めることはできますか?
法律上の決まりはありませんので、複数人で喪主を務めることも可能です。ご夫婦や兄弟姉妹で共同喪主とされるケースもあります。ただし対外的な窓口や挨拶の代表者は一人に絞ったほうがスムーズです。
喪主に決まった服装はありますか?
喪主は正喪服(和装の黒紋付または洋装のモーニング・黒無地のワンピースなど)を着用されるのが正式ですが、近年は略式の喪服(ブラックフォーマル)で務められる方も増えています。地域やご家族の慣習に合わせてお選びください。
喪主の挨拶では何を話せばいいですか?
参列への御礼、故人が生前お世話になったことへの感謝、簡単な闘病の経過や最期の様子、今後の支援のお願いなどを2〜3分程度で簡潔に述べるのが一般的です。事前に文章を準備しておくと安心です。
葬儀費用の相場はどれくらいですか?
葬儀の規模や内容により異なりますが、家族葬で50万円〜100万円程度、一般葬で100万円〜200万円程度が目安とされています。詳しくは葬儀社にお見積もりをご依頼ください。
喪主は四十九日法要もすべて取り仕切る必要がありますか?
喪主は年忌法要の中心的な役割を担いますが、すべてを一人で抱え込む必要はありません。ご家族やご親族と分担し、お寺や石材店などの専門家にもご相談しながら進めることをお勧めします。
まとめ
喪主の役割は、葬儀を執り行う責任者としてご遺族の代表を務め、葬儀社やご住職、参列者への対応、各種手続きなど多岐にわたります。法律上「誰が喪主を務めるべき」という決まりはありませんが、一般的には故人の配偶者や血縁の近い方が務められます。
葬儀前の準備から当日の進行、葬儀後の法要まで、喪主がやるべきことは決して少なくありませんが、すべてを一人で抱え込む必要はありません。ご家族・ご親族や葬儀社と連携しながら、無理のない範囲で進めていくことが大切です。
新宮市・那智勝浦町・太地町・三重県紀宝町では、菩提寺との関係や地域コミュニティへの配慮、ご香典辞退の増加など、地域特有の慣習もあります。地域の実情に詳しい葬儀社に相談しながら進めることで、故人らしい、ご遺族が納得できる葬儀を実現できます。
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新宮市・那智勝浦町・太地町・紀宝町の葬儀相談
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この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
