中本葬祭ブログ

子どもに家族の死と葬儀をどう伝える?説明・参列・途中退席の準備

子どもへ葬儀の流れを説明する準備として親子の席と無地のノートを整えたイメージ画像

身近な方が亡くなったとき、子どもへ何を、どこまで伝えるか迷うのは自然なことです。驚かせたくない気持ちから遠回しな表現を選びたくなりますが、子どもが別の意味に受け取り、かえって不安になることもあります。

一度ですべてを理解させる必要はありません。短く事実を伝え、子どもがどう理解したかを確かめ、分からないことは後からでも聞けるようにします。葬儀へ参列する場合は、儀式を無理にさせず、途中で休めることと、子どもに付き添う大人を先に決めておくことが大切です。

最初は短く、分かる言葉で事実を伝えます

国立精神・神経医療研究センターが公開する家族向け資料では、死を遠回しに説明すると、子どもが言葉を文字どおりに受け取って混乱することがあるとされています。「長い眠りについた」「遠くへ行った」といった表現だけでは、眠ることや外出を怖がる場合があります。

最初の説明では、次の順に一つずつ伝えます。

  1. 誰が亡くなったのか
  2. 亡くなったとは、体がもう動かず、話したり感じたりしないこと
  3. これから家族が何をするのか
  4. 子どもの生活で今日変わること、変わらないこと

原因を説明する必要があるときも、年齢に合う短い言葉にします。詳しい情景や刺激の強い情報を一度に話す必要はありません。分からないことを大人が推測して答えず、「今は分からない。確認できたら話すね」と伝えて構いません。

家族の宗教や供養の考え方を伝える場合は、まず体に起きたことを簡潔に説明し、その後に「私たちの家では、このように考えて手を合わせるよ」と分けて話します。宗派やご家庭によって表現は異なるため、一つの言い方を正解として押しつけないことが大切です。

「どう分かった?」と、子どもの理解を確かめます

説明した直後にうなずいていても、大人と同じ意味で理解したとは限りません。「分かった?」と尋ねるだけでは、子どもが「分かった」と答えて会話が終わることがあります。

次のように、受け取った内容を話してもらいます。

  • どんなふうに分かったか教えてくれる?
  • 今、一番気になっていることは何?
  • 今日と明日で、分からない予定はある?
  • 葬儀について聞きたいことはある?

返事がないときや話したくない様子のときは、その場で答えを求めません。「後からでも聞いていい」「別の大人に聞いてもいい」と伝え、会話をいったん終えて大丈夫です。同じ質問を何度かする、急に別の話を始める、遊びに戻るといった反応だけで、悲しんでいないと決めつけないでください。

大人が泣くこともあります。そのときは、子どもに大人を慰める役割を背負わせず、「悲しくて泣いているけれど、あなたのせいではないよ」と伝えます。

葬儀前に、見えることと起こることを具体的に説明します

葬儀会場へ着いてから初めて説明すると、家族も準備で慌ただしく、子どもが質問しにくくなります。事前に、当日の場面を順番に話しておきます。

  • どこへ行くのか
  • 誰が一緒にいるのか
  • どのくらいの時間がかかる見込みか
  • 会場に棺や遺影、花、焼香台があるか
  • 読経、音楽、司会の案内など、どんな音がするか
  • 泣く人、静かにしている人、思い出を話す人がいること
  • 棺を見送る場面があるか
  • 火葬場へ同行するか

実際の進行は葬儀の形式、宗派、ご家族の希望で異なります。担当者から聞いた予定だけを伝え、未確認のことを「必ずこうなる」と言わないようにします。全体の流れを先に確認する方は、ご逝去から葬儀までの流れもご覧ください。

棺へ近づく、お顔を見る、焼香する、収骨へ同行するといった行為を、すべて経験させる必要はありません。子どもが嫌がる場面は避けられること、途中で気持ちが変わってもよいことを伝えておきます。

参列するかは、本人の気持ちと当日の支えを一緒に考えます

「子どもだから参列させない」「家族だから最後まで出席させる」と先に決めず、年齢、理解、本人の気持ち、体調、移動時間、会場で支えられる大人がいるかを確認します。

尋ねるときは、参列するかどうかの二択だけにしません。

  • 通夜または葬儀の一部だけ参列する
  • 会場までは行き、別室や出口近くで過ごす
  • お別れの場面には参加せず、後から花や手紙を供える
  • 途中で休む、または帰る
  • 今回は参列せず、家で手を合わせる

どの選択でも、故人を大切に思う気持ちに差があるわけではありません。子どもが怖がる儀式や行為を無理にさせず、当日になって選び直してよいと伝えます。

参列する場合の服装は、子どもの葬儀参列時の服装マナーで確認できます。急なときは服装だけに気を取られず、体温調整、履き慣れた靴、飲み物、常用している物など、安全に過ごす準備を優先してください。

子どもに付き添う大人を一人決めます

喪主や近いご家族は、挨拶や進行確認で席を離れにくいことがあります。子どもが質問したとき、休みたくなったとき、トイレへ行きたいときにすぐ動ける大人を一人決めておきます。

付き添い役は、次のことを事前に共有します。

  • 子どもへどこまで説明したか
  • 子どもが避けたい場面
  • 休める場所と出入口
  • トイレの場所
  • 途中で帰る場合の移動方法
  • 保護者への連絡方法
  • 食物アレルギー、服薬、体調面の注意

座席や休める場所は、会場の担当者へ先に相談します。すべての会場に同じ設備があるとは限らないため、授乳、おむつ替え、別室、段差など、必要な条件を具体的に伝えて確認してください。中本葬祭の6会場から利用予定の会場を確認し、必要な設備や動線は担当者へお尋ねください。

途中退席と焼香は、作法より安全を優先します

子どもが落ち着かなくなったとき、声を出したとき、泣いたときは、付き添いの大人が出口近くへ移動します。席を立つことを叱ったり、「最後まで我慢しなさい」と約束させたりしないでください。

焼香をするかどうかも、本人の意思と安全を優先します。火や香炉の近くでは、幼い子どもから目を離さず、抱いたまま無理に作法を行いません。担当者へ先に相談し、付き添いの大人と一緒に行う、席から手を合わせる、今回は行わないなど、無理のない方法を選びます。

「周りに迷惑をかけないこと」だけを目標にすると、子どもも付き添う大人も緊張します。静かにできる時間の長さを見込み、音の鳴らない小さな持ち物や飲み物を用意し、使う場所は会場の案内に従います。

葬儀後も、反応を決めつけず日常を支えます

葬儀が終わった後に、子どもがすぐ遊ぶ、学校へ行きたがる、同じ質問を繰り返す、急に悲しくなることがあります。大人と同じ反応をしないからといって、故人を大切に思っていないわけではありません。

数日後にも、短く声をかけます。

  • 葬儀で分からなかったことはあった?
  • 怖かった場面や、安心した場面はあった?
  • 今、誰かに話したいことはある?
  • 学校の先生へ伝えてほしいことはある?

普段の食事、睡眠、学校、友人との時間を少しずつ戻しながら、急がせません。生活への影響が長く続く、強い不安や身体の不調がある、本人や周囲の安全が心配な場合は、かかりつけの小児科医、学校や園の先生、スクールカウンセラーなどへ相談してください。家族だけで抱え込む必要はありません。

死別後の家族の支えについては、グリーフケアとは?死別の悲しみに寄り添う方法も参考にしてください。

よくある質問

「眠った」と説明してはいけませんか?

宗教的な表現や家族の言葉を使うこと自体が問題なのではありません。ただし、その表現だけでは眠ることや外出と死を混同する場合があります。まず体がもう動かず、話したり感じたりしないことを短く伝え、その後にご家庭の考え方を説明します。

子どもは葬儀へ必ず参列させた方がよいですか?

一律には決められません。本人の気持ち、年齢、理解、体調、移動、付き添う大人の有無を確認します。参列する場合も、一部だけ参加する、途中で休む、帰るという選択を用意し、嫌がる儀式を無理にさせないでください。

葬儀中に子どもが泣いたら失礼ですか?

泣くこと自体を失礼と決めつける必要はありません。出口に近い席や休める場所を事前に確認し、付き添いの大人が落ち着いて移動できるようにします。会場ごとに設備が異なるため、担当者へ相談してください。

葬儀後、いつ専門家へ相談すればよいですか?

普段の生活へ戻れない状態が続く、強い不安や身体の不調がある、学校生活への影響が大きい、本人や周囲の安全が心配な場合は、期間だけで自己判断せず、かかりつけの小児科医、学校・園、スクールカウンセラーなどへ相談してください。

まとめ

子どもへ家族の死を伝えるときは、遠回しな言葉だけにせず、短く事実を伝え、どう理解したかを確かめます。葬儀前には、場所、参列者、棺、焼香、見送りなど、実際に起こることを確認できた範囲で具体的に説明してください。

参列するかは本人の気持ちと当日の支えを一緒に考え、途中退席や休憩を選べるようにします。付き添う大人と会場での動線を決めておくと、子どももご家族も落ち着いてお別れの時間を過ごしやすくなります。

利用する会場の流れ、座席、休める場所など、確認したい条件を中本葬祭の担当者へお伝えください。資料請求・お問い合わせからご相談いただけます。お急ぎの場合は24時間対応しています。

出典

確認日:2026年9月2日

  • 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所、PCIT Japan「大切な人を亡くした後に-子どもの悲嘆と回復を支える大人のためのガイド」
  • https://www.ncnp.go.jp/pdf/mental_info_childs_guide.pdf
  • 中本葬祭「葬儀に子供が参列する際の服装マナー」
  • https://nakamoto.jp/osousiki-manner2/sougi-kodomo-fukusou-gakuseifuku/

この記事の監修

中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター

平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。

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