中本葬祭ブログ

車いすで葬儀に参列するときの準備|会場・移動・焼香の確認事項

車いすで葬儀に参列するため会場の通路と座席を確認するイメージ画像

車いすを利用するご家族やご親族が通夜・葬儀へ参列するとき、「会場の入口に段差はないか」「焼香のときはどう動けばよいか」「長時間座ったままで大丈夫か」と心配になることがあります。

必要な準備は、服装や持ち物だけではありません。車から会場へ入り、席で過ごし、焼香をして帰るまでの動線を事前に確認することが大切です。この記事では、ご本人に無理をさせずに参列するため、会場へ伝えることと当日の動きを時系列で整理します。

最優先は、ご本人がどこまで参列したいかです

通夜から葬儀・告別式、火葬まで、すべてに参列することだけが弔意の示し方ではありません。ご本人の体調、移動時間、服薬、休憩の必要性を踏まえ、どの時間帯なら無理なく過ごせるかを家族で確認します。

選択肢は一つではありません。

  • 通夜だけ参列する
  • 葬儀・告別式だけ参列する
  • 開式前に短時間のお別れをする
  • 式には入らず、会場内の休める場所で待つ
  • 当日の体調によって途中で退席する
  • 参列を見送り、弔電や手紙など別の方法で気持ちを伝える

「親族だから最後までいなければならない」と決めつけず、ご本人の希望を聞いて予定を組みます。体調に不安がある場合は、主治医や介護職にも移動時間や外出時の注意点を確認してください。

会場へ電話するときに伝える3つのこと

会場側が準備しやすいよう、まず次の3点を伝えます。

  1. 手動車いすか電動車いすか
  2. ご本人が短い距離なら立てるか、移乗に介助が必要か
  3. 通夜、葬儀、火葬のうち、どこまで参列する予定か

車いすの大きさや介助方法は人によって異なります。「車いすを使います」だけで終えず、折りたたみの可否、付き添う人数、車からの移乗方法も分かる範囲で伝えます。

中本葬祭の公式サイトでは、新宮市、那智勝浦町、太地町、紀宝町の葬儀場・斎場を案内しています。ただし、入口から席までの経路、利用できるトイレ、貸出備品などは、会館と当日の設営によって確認内容が変わります。施設名を伝え、利用する会館へ個別にお問い合わせください。

乗降場所から席までを一本の動線で確認します

設備を一つずつ尋ねるだけでは、実際の移動がつながらないことがあります。次の順に、入口から席まで一本の動線として確認します。

車をどこに止めて乗り降りするか

駐車場の有無だけでなく、車いすを下ろす場所、入口までの距離、雨天時に屋根があるか、付き添いの方が先に降りられるかを尋ねます。福祉車両を使う場合は、スロープやリフトを出すための広さも必要です。

一般の駐車区画では乗降が難しい場合があります。到着予定時刻と車種を会場へ伝え、どこで乗り降りするのが安全か案内を受けてください。

入口、受付、式場までに段差がないか

入口に小さな段差がある、通路の一部が狭い、別の入口を使うと移動しやすいといったことがあります。受付で記帳する場所も含め、車いすのまま通れる経路を確認します。

付き添いの方だけが先に受付を済ませ、ご本人は席へ案内してもらう方法もあります。混雑する開式直前を避け、少し早めに到着できるかも相談すると落ち着いて移動できます。

車いすのまま座れる位置を決める

通路をふさがず、途中退席もしやすい場所を会場側に用意してもらいます。前方が見やすいかだけでなく、出入口、トイレ、休憩場所へ移動しやすいかも大切です。

付き添いの方の席が離れると、体勢を直したいときや退席したいときに対応しにくくなります。車いすの隣またはすぐ近くに付き添い席を置けるか確認してください。

トイレと休憩場所は、開式前に場所を見ておきます

車いすで利用できるトイレがあるか、扉の幅、手すり、介助者が入れる広さ、式場からの距離を確認します。「多目的トイレがある」と聞くだけで判断せず、ご本人が必要とする設備があるかを具体的に尋ねてください。

長時間同じ姿勢で過ごすことが難しい場合は、横になれる場所、静かに休める控室、飲水や服薬ができる場所も確認します。式の途中で移動する可能性があることを事前に伝えておけば、出入口に近い席などを相談しやすくなります。

当日は、会場へ着いた時点で付き添いの方がトイレと休憩場所を実際に確認します。案内された経路に荷物や椅子が置かれている場合は、無理に通らずスタッフへ声をかけてください。

焼香は立つことより、安全に気持ちを届けることを優先します

焼香の形式は、会場、宗派、式の進行によって異なります。中本葬祭の焼香の基本手順でも、立礼、座礼、回し焼香があり、会場の案内を優先するよう説明しています。

車いすで焼香台へ近づけるか、段差があるか、香炉を安全な位置へ用意できるかを開式前にスタッフへ確認します。立ち上がることや、無理な前傾姿勢を前提にしないでください。

状況に応じて、次のような方法を会場へ相談します。

  • 車いすのまま焼香台へ進める位置を確保する
  • 付き添いの方と一緒に移動する
  • 香炉を安定した位置へ準備してもらう
  • 席で静かに合掌し、移動を控える

どの方法にするかを家族だけで決めず、宗教者と会場スタッフの案内に従います。作法を完全に行うことより、転倒や接触を防ぎ、ご本人が落ち着いてお別れできることを優先します。

付き添いの方は役割を分けます

一人の付き添いにすべてを任せると、受付や荷物の対応中にご本人が一人になることがあります。可能であれば、次の役割を家族で分けます。

  • 車の運転と乗降を担当する人
  • 会場スタッフと動線を確認する人
  • ご本人の隣で体調と姿勢を見守る人
  • 荷物、香典、上着などを管理する人
  • 途中退席する場合に親族へ伝える人

付き添いが一人の場合は、受付、焼香、トイレ移動で手助けが必要なことを事前に会場へ伝えます。介助方法にはご本人の慣れがあります。車いすを急に押したり、本人へ声をかけずに身体を支えたりせず、どう手伝うかを先に確認してください。

持ち物は「葬儀用」と「外出用」に分けます

香典、袱紗、数珠、ハンカチなど一般的な参列品は、葬儀参列の持ち物一覧でも確認できます。車いすでの参列では、それとは別に普段の外出で使う物をまとめます。

  • 服薬に必要な薬と服薬時間のメモ
  • 飲み物や、必要に応じた補助食品
  • 体温調整用の上着やひざ掛け
  • クッション、姿勢保持具
  • 予備の衛生用品
  • 車いすの工具、充電器、予備バッテリーなど普段携帯している物
  • 緊急連絡先と医療情報を確認できる物

会場の備品を前提にせず、ご本人が普段使っている物を基準にします。一方、荷物が多すぎると移動を妨げるため、すぐ使う物と車に置く物を分けてください。

当日は途中退席できる予定にしておきます

前日まで体調が安定していても、移動や緊張で疲れることがあります。開始時刻だけでなく、休憩する時刻、途中退席する場合の出口、帰りの車を呼ぶ方法まで決めておきます。

退出するときに周囲へ何度も説明しなくてよいよう、喪主や近い親族へ「体調を見ながら途中で失礼することがあります」と先に伝えます。式の途中で退席することは、弔意が足りないという意味ではありません。ご本人の体調と安全を優先してください。

よくある質問

車いすのまま焼香できますか?

会場の通路、焼香台、香炉の位置によって対応が異なります。車いすのまま近づけるか、香炉の位置を調整できるかを開式前にスタッフへ確認してください。無理に立ち上がらず、会場と宗教者の案内に従います。

付き添いの人も喪服が必要ですか?

付き添いの方も参列者として式へ入る場合は、葬儀の案内に合う服装を基本とします。ただし、介助しやすさや安全も必要です。動きにくい靴や裾の長い服を避けるなど、ご本人を支えやすい服装を選びます。

車いす対応トイレがあるか、当日聞いても間に合いますか?

設備がない場合や、別の場所を案内される場合があります。可能な限り事前に、必要な手すり、広さ、介助者の同伴、式場からの距離まで確認してください。当日も到着後に場所と経路を見ておきます。

最後まで参列できない場合は失礼ですか?

体調を優先して途中で退席しても、失礼と決めつける必要はありません。短時間のお別れ、通夜か葬儀のどちらかだけの参列なども含め、ご本人が無理なく気持ちを届けられる方法を家族と会場へ相談してください。

まとめ

車いすで葬儀へ参列するときは、駐車場の有無だけでなく、乗降場所、入口、受付、座席、トイレ、休憩場所、焼香、退出までを一本の動線として確認します。ご本人がどこまで参列したいかを最初に聞き、途中退席できる予定を組むことも大切です。

中本葬祭では、各会館の設備と当日の設営を確認しながら、参列される方の移動についてご案内します。利用する会館と必要な介助内容を具体的に伝え、資料請求・お問い合わせから事前にご相談ください。

出典

確認日:2026年8月25日

  • 中本葬祭「葬儀場・斎場のご案内」
  • https://nakamoto.jp/sisetu/
  • 中本葬祭「焼香のやり方|基本手順と宗派が分からないときの対応」
  • https://nakamoto.jp/osousiki-manner2/shoko-yarikata-shupa/
  • 中本葬祭「葬儀参列の持ち物一覧|香典・袱紗・数珠・雨具」
  • https://nakamoto.jp/osousiki-manner2/sougi-sanretsu-benri-mono/

この記事の監修

中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター

平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。

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