ご家族が亡くなった後、携帯電話を見つけても、「すぐ解約してよいのか」「電話番号を家族が引き継げるのか」「写真や連絡先は消えるのか」「端末代金が残っていたらどうするのか」と迷うことがあります。
故人名義の携帯電話は、通信会社へ死亡の連絡をし、契約を引き継ぐ「承継」または解約を進めます。ただし、先に電話番号の利用先、端末代金、家族割や光回線、キャリアメール、端末内のデータを確認しておくことが大切です。
結論|放置せず、承継か解約かを決めて通信会社へ連絡します
NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルは、契約者が亡くなった場合の承継または解約手続きを公式に案内しています。手続き方法、申し出ができる人、必要書類、受付窓口は会社と契約内容により異なります。
最初に次の五点を確認してください。
- 契約している通信会社と電話番号
- 電話番号を家族が引き継ぐ必要があるか
- 端末の分割代金や未払い料金が残っていないか
- 家族割、光回線、キャリア決済などの関連契約があるか
- 端末、キャリアメール、クラウドに残るデータをどう扱うか
契約者が亡くなっても、携帯電話回線が自動的に解約されるとは限りません。ソフトバンクは、承継または解約をしない場合、故人名義で基本料金の請求が続き、未納金の請求も続くと案内しています。請求を止めるために支払い方法だけを先に停止するのではなく、通信会社へ事情を伝えて正式な手続きを確認します。
契約している通信会社と関連サービスを確認します
端末の外観だけでは、現在の通信会社や契約状況を判断できないことがあります。次の資料から確認してください。
- 通信会社から届いた請求書や案内
- 銀行口座やクレジットカードの引き落とし名
- 契約時の書類、端末の購入書類
- 家族の携帯電話にある家族割の契約情報
- 自宅の光回線、固定電話、電気などとのセット契約
- キャリア決済で支払っているサービスの明細
格安SIMや複数回線を利用していた場合は、端末が1台でも契約が複数あることがあります。スマートフォン、タブレット、モバイルルーター、スマートウォッチなどの回線も確認します。
故人名義のクレジットカードで料金を支払っていた場合は、カード解約との順番にも注意が必要です。故人名義のクレジットカードで、継続決済の確認方法を整理しています。
電話番号を引き継ぐか、解約するかを決めます
承継を検討する場合
承継は、故人名義の回線を家族などが引き継ぎ、電話番号を継続して使う手続きです。故人の仕事や地域活動の連絡先になっていた場合、家族が連絡を受けるために一定期間番号を残したいことがあります。
ただし、承継できる人の範囲と必要書類は通信会社により異なります。電話番号を引き継げても、ポイント、キャリアメール、アカウント、付帯サービスまで同じように引き継げるとは限りません。
NTTドコモは、死亡による承継では継続利用期間を引き継げる一方、dポイントクラブとdポイントは引き継げないと案内しています。楽天モバイルは、承継後も「楽メール」のメールデータやメールアカウントは引き継げないと案内しています。このように扱いが異なるため、残したい機能を通信会社へ具体的に伝えてください。
解約を検討する場合
電話番号を使い続ける必要がない場合は、死亡による解約を申し出ます。解約日、最終請求、端末代金、付帯回線、返却物を確認してください。
回線を解約しても、端末の分割代金、通信会社以外の定額サービス、クラウドアカウントなどがすべて終了するとは限りません。ソフトバンクは、端末代金の割賦残債は継続して支払う必要があると案内しています。相続放棄を検討している場合や、他の債務が分からない場合は、支払いを進める前に通信会社と弁護士などの専門家へ確認してください。
解約前に電話番号・メール・認証先を確認します
携帯電話番号やキャリアメールは、銀行、クレジットカード、通販、定額サービスなどの連絡先や本人確認に使われていることがあります。回線を先に解約すると、SMSの受信やキャリアメールの確認ができなくなる場合があります。
確認したい項目は次のとおりです。
- SMS認証に使われているサービス
- キャリアメールを連絡先にしている契約
- 携帯電話料金と一緒に支払うキャリア決済
- 家族割、共有データ、家族向けサービス
- 光回線、固定電話、ホームルーターとのセット契約
- 端末保証、紛失補償、コンテンツサービス
故人のIDやパスワードを推測してサービスへログインしたり、本人として認証したりせず、各サービスの死亡後手続き窓口へ確認してください。通信回線の承継は、銀行、SNS、クラウドなどのアカウントを引き継ぐ手続きではありません。
スマートフォン、SNS、ネット口座などの確認順は、デジタル遺品の整理でもご案内しています。
回線契約と端末内のデータは分けて考えます
携帯電話回線を解約しても、端末に保存された写真や連絡先が自動的に消えるとは限りません。一方、端末の初期化、ロック解除、クラウドアカウントの扱いは、通信会社の回線手続きとは別です。
端末を処分、返却、初期化する前に、次の点を確認してください。
- 端末は購入済みか、分割払い中か、返却プログラムの対象か
- 写真や連絡先が端末本体とクラウドのどちらに保存されているか
- 家族が適法に受け取れるデータの範囲と手続き
- 端末保証や補償サービスを終了する必要があるか
- SIMカードやeSIMをどのように扱うか
ロック解除の方法やアカウント情報が分からない場合は、無理に操作せず、端末メーカー、通信会社、各アカウント提供会社の公式窓口へ相談します。故人のプライバシーや他の連絡先の個人情報にも配慮してください。
必要書類は通信会社へ確認してから用意します
死亡による承継や解約では、死亡の事実が分かる書類、手続きする人の本人確認書類、故人との関係が分かる書類などを求められる場合があります。
auは、死亡が確認できる書類の例として、戸籍謄本・抄本、除籍謄本・抄本、住民票の除票などを案内しています。楽天モバイルは、死亡による解約を郵送で受け付け、手続き完了までの目安を案内しています。受付方法は店舗、郵送、オンラインなど会社により異なります。
必要以上の証明書を先に何通も取得せず、次の内容を通信会社へ伝えてから準備すると無駄を減らせます。
- 契約者の氏名と電話番号
- 死亡日
- 承継と解約のどちらを希望するか
- 手続きする人と故人との関係
- 端末代金や関連サービスの確認も必要であること
- 来店、郵送、オンラインのどの方法を希望するか
死亡の記載がある住民票の除票については、亡くなった方の住民票も参考にしてください。
よくある質問
故人の携帯電話は自動的に解約されますか?
自動的に解約されるとは限りません。通信会社へ死亡の連絡をし、承継または解約の正式な手続きを行ってください。手続きしない間も料金や未納金の請求が続く場合があります。
電話番号を家族が引き継げますか?
通信会社の条件を満たせば、死亡による承継ができる場合があります。承継できる人、必要書類、ポイント・メール・付帯サービスの扱いは会社ごとに確認してください。
回線を解約すると写真も消えますか?
回線の解約と、端末やクラウドに保存されたデータの扱いは別です。端末を初期化、返却、処分する前に、端末メーカーとアカウント提供会社の公式な死亡後手続きを確認してください。
端末代金が残っている場合はどうなりますか?
回線を解約しても、端末の分割代金が残る場合があります。残額、支払い方法、返却プログラムの条件を通信会社へ確認してください。相続放棄を検討している場合は、個別に支払う前に専門家へ相談してください。
まとめ
亡くなった方名義の携帯電話は放置せず、通信会社へ死亡の連絡をし、承継または解約を進めます。先に、電話番号の利用先、端末代金、家族割・光回線・キャリア決済、メール、端末やクラウドのデータを確認してください。
承継できる人、必要書類、受付方法、ポイントやメールの引継ぎ、最終請求は通信会社により異なります。回線契約と、端末・各種アカウントの手続きを分け、公式窓口の案内に沿って進めることが大切です。
死亡後の手続きを一覧で確認したい方は、死亡後の手続き一覧をご利用ください。中本葬祭では、葬儀後に必要な書類や手続きの整理についてもご案内しています。資料請求・お問い合わせからご相談ください。
出典
確認日:2026年8月23日
- NTTドコモ「ご契約者の死亡による承継または解約」
- https://www.docomo.ne.jp/support/mortality/
- au「譲渡・承継」
- https://www.au.com/support/service/mobile/procedure/contract/succession/
- au「契約者の逝去による承継や解約に必要な『死亡が確認できる書類』について知りたい」
- https://www.au.com/support/faq/details/00/0000/000001/pg00000120/
- ソフトバンク「契約者が死亡した場合、手続きは何か必要ですか?」
- https://www.softbank.jp/support/faq/view/10064
- 楽天モバイル「ご契約者の逝去による契約者変更手続き(承継)」
- https://network.mobile.rakuten.co.jp/guide/contract-succession/
- 楽天モバイル「契約者が逝去したため回線を解約したいのですが、どうすればよいですか?」
- https://network.mobile.rakuten.co.jp/faq/detail/00001246/
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
