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亡くなった方名義の固定資産税はどうする?相続人代表者届と相続登記の違い

固定資産税と相続の書類を木製テーブルで整理する準備のイメージ画像

ご家族が亡くなった後、土地や家屋の固定資産税について「納税通知書は誰が受け取るのか」「相続人代表者届を出せば名義変更も終わるのか」と迷うことがあります。

相続人代表者届は、主に固定資産税の通知を受け取り、納付する代表者を市町へ届ける手続きです。不動産の所有権を変更する相続登記や、遺産分割の確定とは別の手続きとして整理してください。

結論|税の通知先を決める手続きと不動産の名義変更は別です

那智勝浦町の公式案内では、土地・家屋の所有者が亡くなり、相続登記が済んでいない場合、相続人全員が固定資産税の納税義務者となり、納税通知書を受領して納付する相続人代表者を指定して届け出る必要があると説明しています。

同じ案内は、相続人代表者指定届について、固定資産税の納税管理に限るもので、法的な相続を確定する書面ではなく、相続税とも別であると明記しています。

まず、次の三つを分けて考えることが大切です。

  • 相続人代表者届:固定資産税の通知の受領や納付を担う代表者を市町へ届ける
  • 遺産分割:相続人の間で、不動産を含む遺産を誰が取得するか決める
  • 相続登記:法務局で不動産の登記名義を相続人へ変更する

相続人代表者になっただけで、その方が不動産を単独で相続したことにはなりません。また、市町へ届出をしても、法務局での相続登記を終えたことにはなりません。

最初に土地・家屋と納税通知書を確認します

故人が不動産を所有していたか分からない場合は、手元にある固定資産税の納税通知書、課税明細書、登記事項証明書、売買や贈与に関する書類を探します。書類を見つけたら、次を控えてください。

  • 土地や家屋の所在地
  • 納税通知書を発行した市町村
  • 名義人の氏名
  • 年度と納期限
  • 口座振替の有無
  • 共有名義か単独名義か

固定資産税は、不動産が所在する市町村が課税します。故人の最後の住所地と不動産の所在地が異なるときは、不動産所在地の税務担当課へ確認してください。

納税通知書が見当たらない場合や、未登記の家屋、共有不動産、農地や山林がある場合は、自己判断で対象を絞らず、市町の税務担当課へ故人の氏名と不動産の所在地を伝えて確認します。証明書を請求できる方と必要書類は個別に異なります。

相続人代表者届で確認したいこと

届出書の名称、提出時期、必要書類、押印の扱いは市町により異なります。届出前に、次の項目を確認してください。

  1. 対象となる税目が固定資産税だけか、住民税なども含むか
  2. 相続人全員の氏名や同意が必要か
  3. 故人と届出人の関係を確認する戸籍などが必要か
  4. 納税通知書の送付先をどこにするか
  5. 口座振替を続けるか、納付書へ切り替えるか
  6. 相続登記が終わった後に追加の連絡が必要か

代表者は、納税通知書を受け取るだけでなく、他の相続人へ内容を共有できる方を選びます。代表者だけで税負担や所有者を決めたと受け取られないよう、届出の目的を相続人間で確認しておくことも大切です。

新宮市と那智勝浦町の公式案内

新宮市

新宮市の「おくやみ手続きチェックシート」は、市内に固定資産税の納付が必要な方について、相続人を代表して納税通知書の受領や納税を行う相続人代表者の届出を案内しています。以前の死亡後手続き案内では、固定資産を所有する方の相続人代表者は、死亡届出後すみやかに税務課資産税係へ問い合わせるよう示されています。

新宮市は申請書等ダウンロードサービスで「相続人代表者届出書」と記入例を公開しています。提出前に、税務課資産税係へ最新の様式と必要書類を確認してください。

那智勝浦町

那智勝浦町の固定資産税ページは、相続登記を行っていない場合の相続人代表者指定届を詳しく案内しています。町内で死亡を確認できた場合は届出用紙を先に送ることがあるものの、通知がなくても該当する場合は提出するよう案内しています。

同ページでは、届出後に相続登記をした場合は登記が優先することも説明されています。提出時期や年末近くに登記を予定している場合の扱いは、町の税務課へ確認してください。

太地町や紀宝町を含め、所在地ごとの手続きが必要です。ウェブ上の案内だけで必要書類を確定できない場合は、送付前や来庁前に各市町の税務担当課へ問い合わせてください。

相続登記の期限も別に確認します

法務省は、相続によって不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があると案内しています。正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象となることがあります。

2024年4月1日より前の相続で、相続したことを同日より前に知っていた未登記の不動産についても義務化の対象となり、原則として2027年3月31日までに相続登記が必要です。

相続人代表者届は、この相続登記の義務を果たす手続きではありません。相続手続きの全体像は、相続手続きの流れと期限で確認できます。遺産分割の話し合いをした場合は、遺産分割協議書の書き方も参考にし、個別の登記申請は法務局、司法書士または弁護士へご相談ください。

相続放棄を検討している場合は先に専門家へ相談します

固定資産税の通知が届いても、相続放棄を検討している場合は、代表者届の提出や納付を自己判断で進めないでください。相続放棄は家庭裁判所で行う手続きで、財産や債務への対応が個別判断に影響することがあります。

市町の税務担当課には相続放棄を検討中であることを伝え、通知書の扱いを確認します。そのうえで、家庭裁判所、弁護士または司法書士へ早めに相談してください。相続放棄を含む期限の一覧は、死亡後の手続き一覧で整理しています。

よくある質問

相続人代表者になった人が不動産を相続するのですか?

相続人代表者届は固定資産税の通知や納付の代表者を定める手続きです。それだけで不動産を取得する方や相続割合が決まるわけではありません。

相続人代表者届を出せば相続登記は不要ですか?

不要にはなりません。市町への税務上の届出と、法務局で行う相続登記は別の手続きです。

遺産分割が決まっていなくても届出が必要ですか?

相続登記前の納税通知書の受領先を定めるため、届出を案内する市町があります。相続人間で代表者を決められない場合や相続放棄を検討している場合は、税務担当課と専門家へ相談してください。

故人の住所と不動産の所在地が違う場合はどこへ連絡しますか?

固定資産税は不動産所在地の市町村が課税するため、納税通知書を発行した市町村の税務担当課へ連絡します。

まとめ

故人名義の土地や家屋がある場合は、固定資産税の納税通知書を受け取る相続人代表者の届出と、不動産の名義を変更する相続登記を分けて進めます。相続人代表者届だけで所有者や相続割合は決まりません。

まず不動産所在地と納税通知書を確認し、市町の税務担当課へ届出書、必要書類、納付方法を尋ねてください。相続登記や相続放棄は期限と個別判断があるため、法務局や専門家への確認も並行して進めます。

中本葬祭では、葬儀後に必要となる手続きを整理するためのご相談も承っています。何から確認すればよいか迷う場合は、資料請求・お問い合わせからご相談ください。

出典

確認日:2026年8月21日

  • 新宮市「新宮市手続きチェックシート」
  • https://www.city.shingu.lg.jp/div/simin-1/pdf/koseki/checksheet/okuyami.pdf
  • 新宮市「申請書等ダウンロードサービス」
  • https://www.city.shingu.lg.jp/info/967
  • 新宮市「死亡届の提出」
  • https://www.city.shingu.lg.jp/div/simin-1/pdf/todokede/shiboutetuduki.pdf
  • 那智勝浦町「固定資産税」
  • https://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/info/30
  • 法務省「相続登記の申請義務化について」
  • https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html

この記事の監修

中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター

平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。

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