葬儀を終えた後、会場で分けられた花を持ち帰ることがあります。自宅で飾ってよいか、仏壇の花にしてよいか、傷んだ後はどのように片付ければよいか、迷う方もいらっしゃいます。
まず確かめたいのは、その花が持ち帰り用として案内されたものかどうかです。祭壇や供花の扱いは、ご遺族の意向、葬儀の進行、宗教・宗派、会場によって異なります。案内がない花を自分の判断で外さず、ご遺族または会場スタッフへ確認してください。
結論|持ち帰りの確認、包みの点検、分別の順に進めます
持ち帰った花は、次の順で扱うと整理しやすくなります。
- 会場で持ち帰り用として分けられた花か確認する
- 水が漏れないよう、安定した場所で包みを開く
- 輪ゴム、ホチキス、ワイヤー、吸水材などの有無を見る
- 茎や葉の傷み、折れ、ぬめりを確認する
- 清潔な花器を用意し、置き場所を決める
- 子どもやペットが触れない位置か確認する
- 花が傷んだら、花と包装材を分け、住んでいる自治体の方法で出す
「葬儀の花だから必ず仏壇へ供える」「持ち帰った花はすぐ捨ててはいけない」と全国一律に決められているわけではありません。ご家庭の供養の仕方と、花の状態に合わせて扱います。
会場を出る前に確認したいこと
葬儀では、祭壇の花をご出棺前にお別れの花として棺へ手向ける場合や、ご遺族・参列者へ持ち帰り用として分ける場合があります。一方で、供花を誰がどのように扱うかが決まっていることもあります。
持ち帰りたい場合は、次の点を会場スタッフへ尋ねてください。
- 持ち帰ってよい花か
- ご遺族へ確認が済んでいるか
- 水を含む吸水材が付いているか
- 持ち運び用の袋や包みが必要か
- 車内や公共交通機関で水が漏れない状態か
- 宗教・宗派や会場ごとの注意があるか
供花を贈る段階でも、全国霊柩自動車協会は、宗教による違いや地域の習慣があるため、葬儀を担当する葬儀社へ確認するよう案内しています。持ち帰る場面でも、会場ごとの案内を優先してください。
包みを外す前に安定した場所を作ります
自宅へ着いたら、玄関や台所など、水がこぼれても拭き取れる安定した場所に花を置きます。新聞紙や無地の紙、トレーを下へ敷くと、葉や水滴をまとめやすくなります。
包みを開く前に、次の物が使われていないか外側から確認してください。
- 輪ゴムやひも
- ホチキスの針
- 細いワイヤー
- プラスチックの留め具
- 水を含ませた紙や吸水材
- 持ち運び用の袋
茎を強く握ったまま一度に引き抜くと、折れたり、留め具で手を傷つけたりすることがあります。包みを少しずつ開き、金属やプラスチックの部品を花と分けます。小さな留め具は、子どもやペットが口にしないよう、その場で回収してください。
花瓶へ移す前に花の状態を見ます
清潔な花器と水を用意し、花を一本ずつ見ます。茎が折れている、葉が傷んでいる、ぬめりや強いにおいがあるなど、気になる部分はほかの花と分けてください。
茎を切り戻すか、葉をどこまで取るか、水をどの程度入れるかは、花の種類によって異なります。種類が分からない場合や、扱いに迷う花がある場合は、受け取った会場または花店へ尋ねます。園芸用の薬剤や漂白剤を自己判断で混ぜず、使用する場合は商品表示に従ってください。
仏壇へ供える場合は、花器の大きさ、ろうそくや線香との距離、倒れにくさを確認します。仏壇に合う花の選び方は、仏壇へ供える花の選び方|色・本数・避けたい花で案内しています。樒、高野槇、ビシャコの違いを確認したい方は、樒・高野槇・ビシャコの違いも参考にしてください。
置き場所は安全と花の状態で決めます
花瓶は、水平で安定し、倒れたときに電気製品や書類へ水がかからない場所へ置きます。直射日光が長く当たる窓辺、暖房・冷房の風が直接当たる場所、高温になる車内へ置いたままにしないでください。
小さな子どもがいる家庭では、花瓶、ガラス片、水、留め具へ手が届かない位置かを確認します。ペットがいる家庭では、花や葉を口にしない場所へ移してください。植物の中には動物に有害なものがあります。花の種類が分からない、ペットが口にした可能性がある場合は、自己判断せず、花店や動物病院へ花の写真や残っている部分を示して相談します。
供える場所がない場合は、無理に仏壇用の形へ整える必要はありません。安全に置ける花瓶で飾る、ご家族で分けるなど、ご遺族の意向に沿う方法を選びます。
傷んだ後は花と包装材を分けます
花を下げる時期に決まりはありません。水が濁る、茎や葉が傷む、花びらが落ちるなど、衛生面と花の状態を見て片付けます。長く置くことだけを供養と考えず、無理のない時期に感謝して下げて構いません。
片付けるときは、次のように素材を分けます。
- 花、葉、茎
- 紙の包み
- プラスチックの袋や留め具
- 輪ゴム
- ホチキス、ワイヤーなどの金属
- 吸水材
- 花瓶や容器
分別区分、指定袋、長さや太さの制限、収集日は自治体によって異なり、同じ地域でも変更されることがあります。新宮市、那智勝浦町、太地町、紀宝町にはそれぞれ公式のごみ案内があります。花を一括して「燃えるごみ」と決めず、現在住んでいる自治体の最新ページや分別表で、花と包装材を別々に確認してください。
仏壇や墓地の花を下げる場合は、仏花の処分方法|家庭ごみ・墓地での注意点も参考になります。墓地や納骨堂では、家庭ごみと異なる持ち帰り・回収の決まりがあるため、管理者の案内を優先します。
自宅で燃やしたり、川や山へ置いたりしません
供養の気持ちがあっても、花や包装材を自宅で燃やすことは避けてください。火災、煙、臭い、燃え残った金属やプラスチックの危険があります。川、海、山、道路脇、他人の土地へ置くことも不法な処分につながります。
「葬儀の花だから特別なお清めが必要」と決めつける必要もありません。気持ちの整理として丁寧に包みたい場合は、自治体の分別を妨げない範囲で行い、分からないときは菩提寺、墓地管理者、葬儀社へ確認します。
よくある質問
葬儀の花は、持ち帰ったら仏壇へ供えなければなりませんか?
必ず仏壇へ供えるという全国共通の決まりはありません。ご遺族の意向、宗教・宗派、ご家庭の供養の仕方、仏壇の大きさや安全性を確認し、自宅の花瓶で飾る方法も含めて決めてください。
会場の祭壇から自分で花を取ってもよいですか?
案内がない状態で取らないでください。祭壇の花は、お別れの花、持ち帰り、会場での片付けなど扱いが決められている場合があります。ご遺族または会場スタッフへ確認します。
持ち帰った花の種類が分かりません。どうすればよいですか?
無理に種類を決めず、花全体、葉、茎が分かる写真を用意し、受け取った会場や花店へ尋ねてください。子どもやペットがいる家庭では、確認できるまで手の届かない場所へ置きます。
傷んだ花は燃えるごみに出してよいですか?
自治体ごとに分別、指定袋、長さなどの条件が異なります。花、紙、プラスチック、金属、吸水材、容器を分け、現在の自治体公式ページや分別表で確認してください。墓地の花は管理者の回収方法も確認します。
まとめ
葬儀の花を持ち帰るときは、まず会場で持ち帰ってよい花かを確認します。自宅では包みと留め具を安全に外し、花の状態、花器、置き場所、子どもやペットへの配慮を順に確認してください。
花が傷んだ後は、花、紙、プラスチック、金属、吸水材などを分け、住んでいる自治体の最新ルールに従います。会場での扱いや宗教・宗派の習慣が分からない場合は、資料請求・お問い合わせから中本葬祭へご相談ください。お急ぎの場合は24時間対応しています。
出典
確認日:2026年8月31日
- 全国霊柩自動車協会「お葬式 お役立ち辞典|お葬式に参列される方」
- https://www.zensoren.or.jp/dictionary/dictionary02/
- 新宮市「ごみ・環境・衛生」
- https://www.city.shingu.lg.jp/menu/8
- 那智勝浦町「ゴミの分け方・正しい出し方」
- https://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/info/362
- 太地町「ごみの分別・回収」
- https://www.town.taiji.wakayama.jp/kurashi/gomi/index.html
- 紀宝町「ごみ収集カレンダーについて」
- https://www.town.kiho.lg.jp/gomi_calendar/
- 中本葬祭「仏花の処分方法|家庭ごみ・墓地での注意点」
- https://nakamoto.jp/questions-from-customers/bukka-shobun-houhou/
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
