納棺に立ち会うことになり、「何分前に行けばよいのか」「喪服でなければならないのか」「家族は何をするのか」と戸惑う方もいらっしゃいます。納棺は、故人のお身体を整えてお棺へお納めする大切な時間ですが、進め方は宗派、地域、ご家族の希望、お身体の状態によって異なります。
すべての作業に参加する必要はありません。集合時刻と所要時間、服装、参加する方、副葬品を先に確認し、難しいことや見たくない場面があれば担当者へ伝えてください。この記事では、納棺前から終了後まで、家族が確認したいことを順番に整理します。
結論|集合時刻・参加範囲・副葬品の3点を先に確認します
納棺に立ち会う前は、まず次の3点を葬儀社へ確認します。
- 何時に、どこへ集合するか
- ご家族がどこまで立ち会い、何を行うか
- お棺へ納めたい品をいつまでに用意するか
納棺の方法には、故人のお着替えやお身体を整える工程を含む場合もあれば、葬儀社があらかじめ準備し、ご家族はお棺へお納めする場面から立ち会う場合もあります。どの衣装を選ぶか、宗教的な装具を使うかも一律ではありません。
ご家族だけで「一般的にはこうするはず」と決めず、ぜひ当日の進行を担当者から具体的に聞いてください。
中本葬祭の葬儀の流れでも、ご納棺は通夜前の大切な準備としてご案内しています。
納棺とは、故人をお棺へお納めする時間です
納棺は、故人のお身体や身支度を整え、お棺へお納めする一連の時間を指します。ただし、どこからどこまでを「納棺」と呼ぶかは、葬儀社や地域によって少し異なります。
たとえば、次のような工程が含まれることがあります。
- お顔や髪、お身体の状態を整える
- ご家族が選んだ衣服や装具を確認する
- 故人をお棺へお納めする
- お顔まわりや姿勢を整える
- 花や手紙など、確認済みの品をお納めする
- ご家族が静かにお別れをする
故人のお身体の状態によっては、触れ方や姿勢に配慮が必要です。
故人の手を胸元で組ませない場合もあるため、手やお身体を動かしたいときは、先に担当者へ声をかけてください。
宗旨・宗派や寺院の考え方によって、衣装や装具、読経の有無、進める順序が変わることもあります。
「家族が以前経験した葬儀と違う」と感じても、間違いとは限りません。不明な点は、その場で担当者や菩提寺へ確認できます。
前日までに確認しておきたいこと
集合時刻と所要時間
案内された納棺の開始時刻は、ご家族が到着する時刻ではなく、実際に始める時刻である場合があります。着替え、荷物の確認、参加者の案内が必要なら、何分前に到着すればよいかを聞いてください。
納棺にかかる時間は、行う内容や人数、お身体の状態で変わります。終了後に通夜の受付準備や親族への連絡を予定している場合は、納棺の終了見込みも確認しておくと慌てずに済みます。お通夜の流れと所要時間と合わせて、当日の予定を一本につなげておきましょう。
誰が立ち会うか
立ち会う範囲に法律上の決まった正解はありません。配偶者、子、親、きょうだいなど近いご家族を中心にすることもあれば、親しい親族まで一緒に見守ることもあります。
一方で、人数が多いと故人の周囲へ集まりにくい場合があります。小さなお子さま、高齢の方、長時間立つことが難しい方がいるときは、椅子や休憩場所が必要かを担当者へ伝えてください。
立ち会いたくない方や、途中で席を外したい方へ参加を強いる必要はありません。見送る気持ちの表し方は一つではないため、ご本人の意思を尊重します。
衣服と副葬品
故人に着ていただきたい衣服がある場合は、早めに担当者へ見せてください。素材、厚さ、金属部品の有無、お身体の状態によって、そのまま着せる方法以外を提案されることがあります。
お棺へ納めたい写真、手紙、衣類、愛用品も一度まとめておきます。ただし、燃えにくい物、金属、ガラス、電池、厚い本などは、火葬炉やご遺骨へ影響するため納められないことがあります。候補を自己判断で棺へ入れず、棺に入れてよい物・入れられない物を確認したうえで、現物を担当者へ見せてください。
当日の服装は、動きやすさと案内された予定で選びます
納棺だけに立ち会う場合、必ずしも正式な喪服でなければならないと一律には言えません。そのまま通夜へ進むなら喪服で集合することが多く、納棺が別の日や自宅であれば、落ち着いた平服で参加することもあります。葬儀社から服装の案内がある場合は、その案内を優先してください。
故人のお身体の近くで動くことがあるため、次の点を確認します。
- 裾や袖が長すぎず、動きやすい服か
- 脱げやすい靴や高いヒールを避けられるか
- 大きなアクセサリーや引っ掛かりやすい装飾がないか
- 香水など強い香りを控えられるか
- 通夜まで待つ場合の上着や飲み物が必要か
数珠などの宗教具は、納棺の工程や宗派によって必要性が異なります。必ず持つものと決めつけず、担当者へ尋ねてください。
納棺中は、担当者の説明を聞いてから動きます
納棺が始まると、担当者から立つ位置や手を添える場所などの案内があります。
ご家族が手伝う場面でも、急いで身体を動かしたり、一人で持ち上げたりしないでください。
故人のお顔や手に触れたい、髪を整えたい、衣服を直したいという希望がある場合は、先に相談します。医療処置の跡、皮膚の状態、死後硬直などにより、触れ方へ配慮が必要なことがあるためです。
写真撮影を希望する場合も、家族内の気持ちや会場の案内を確認します。撮影する方と撮影しない方の考え方が異なることもあるため、共有範囲や保管方法まで含め、周囲へ無断で撮影・送信しないようにしてください。
子どもや高齢の方が立ち会う場合
子どもには、見えることを先に伝えます
小さなお子さまが立ち会うかは、年齢だけでなく、ご本人の希望、故人との関係、これまでの説明、当日の様子を見て決めます。「眠っているように見えるが、もう起きないこと」「途中で部屋を出てもよいこと」を、分かる言葉で先に伝えてください。
無理に身体へ触れさせたり、花を入れさせたりする必要はありません。付き添う大人を一人決め、もし怖くなったときや疲れたときにすぐ退出できるようにします。
高齢の方は、座る場所と参加時間を決めます
長く立つことが難しい方には、故人の近くに椅子を用意できるか確認します。納棺のすべてに参加せず、最初の説明だけ、または最後のお別れだけ立ち会う方法もあります。
補聴器を使う方や聞こえに不安がある方がいる場合は、担当者が正面からゆっくり説明できる位置を相談してください。服薬や休憩の予定がある場合も、開始前に共有しておきます。
立ち会えない場合も、できるお別れがあります
遠方、仕事、体調、心理的な負担などで納棺に立ち会えないこともあります。その場合は、手紙や納めたい品を家族へ預ける、納棺前後に短時間面会する、通夜や葬儀でお別れするなど、別の方法を担当者へ相談できます。
「立ち会わなかったから気持ちが足りない」ということではありません。無理のない方法で故人へ気持ちを届けることを大切にしてください。
よくある質問
納棺には喪服で行かなければなりませんか?
そのまま通夜へ進む場合は喪服で集合することが多い一方、納棺だけの日や自宅では落ち着いた平服で参加することもあります。当日の予定と会場の案内を葬儀社へ確認してください。
家族は故人の着替えをしなければなりませんか?
必ず家族が行うものではありません。担当者が進め、ご家族は希望する範囲で手を添えたり見守ったりする方法もあります。参加したくない工程があれば事前に伝えてください。
棺へ入れたい物は納棺当日に持参すればよいですか?
物によっては火葬前に確認が必要です。候補はできるだけ早く担当者へ見せ、納められる物か確認してください。金属、ガラス、電池、厚い本などは入れられない場合があります。
子どもは納棺に立ち会ってもよいですか?
一律に避ける必要はありませんが、見えることを事前に説明し、本人の気持ちを確認します。途中で退出できる付き添いを決め、無理に触れたり参加したりさせないようにしてください。
まとめ
納棺に立ち会うときは、集合時刻、所要時間、参加する方、服装、故人の衣服、副葬品を事前に確認します。ご家族がどの工程へ参加するかに一律の正解はなく、見守るだけ、最後のお別れだけ、立ち会わないという選択もできます。
宗派、ご家族の希望、故人のお身体の状態によって進め方は変わります。分からないことや心配な場面があれば、開始前に担当者へお伝えください。中本葬祭では、当日の流れとご家族が参加できる範囲を具体的にご案内します。資料請求・お問い合わせから事前にご相談いただけます。お急ぎの場合は24時間対応しています。
出典
確認日:2026年8月26日
- 中本葬祭「葬儀の流れ」
- https://nakamoto.jp/flow/
- 中本葬祭「棺に入れてよい物・入れられない物|火葬前の確認一覧」
- https://nakamoto.jp/osousiki-qa/ohitsugi-irete-yoimono/
- 中本葬祭「故人の手を胸元で組ませない場合がある理由|死後硬直と納棺」
- https://nakamoto.jp/osousiki-qa/itai-te-kumanai-riyuu/
- 中本葬祭「お通夜の流れと所要時間|遺族・参列者が確認すること」
- https://nakamoto.jp/osousiki-qa/otsuya-nagare-jikan/
この記事の監修
中本 吉保(なかもと よしやす)/専務取締役・厚生労働省認定 1級葬祭ディレクター
平成12年(2000年)に中本葬祭を創業。以来25年以上・7,500件以上のご葬儀に携わり、「どうすれば故人様が喜んでくださるか」を考え続けています。
